ココちゃんが素直だからあたしも素直になれるのかもしれないな。

「じゃあ、雄ちゃんは?」

「ふふっ、はいな。」

「慶ちゃんとお兄ちゃんも好き?」

「まぁ、100歩譲ってあげますよ。」

あたしは大人だからな。

小さいことには動じない!

「ひよちゃん、だ~い好き!」

あー、もうなんて可愛い子なんだ。

このまま、連れて帰りたいよね。

そのまま、あたしの妹にならないだろうか!?

「ココちゃん、立花家の一員になる気はないかね?」

「うん?」

今日のお持ち帰りの一品はココちゃんで決定だな!

「今度は家に遊びにおいで!」

「い、行く!!」

「へへっ、一緒に遊ぶのお約束ですね。」

にひっと笑うとココちゃんも一緒に笑った。

「心、ひよちゃんの笑った顔が一番好き。」

「はい!?」

満面の笑みを浮かべるココちゃんにもう一度

手を差し伸べるとギュッと掴まれた。

廊下を歩いてると、和服の美女とふんわりした

印象の可愛い雰囲気の人が和やかに縁側でお喋りしていた。

和服美女は横顔でも分かるほどとても美しく、

しなやかさがとてつもなく綺麗すぎてドキッとした。

ふんわりとした可愛い感じの雰囲気を醸し出す女の人が

ふとこちらに顔を向けた。

「ママ~!」

パタパタココちゃんが走っていくのを手が繋がれているため

一緒に距離を縮めて目の前に来て雰囲気で分かってしまった。

あ、この人ちぃ君のお母さんと伊織君のお母さんなんだと。

和服の美女がにっこりと笑みを浮かべてココちゃんを見ると、

不思議そうな顔をしてあたしを見た。

綺麗な人でどこか儚げに見えた。

黒くて艶のある髪は大和撫子のようで日本の美女と言うべきか。

だけど、ちぃ君にどこか似てるような気もした。

確かに、ちぃ君の言うとおりだ。

稜さんよりもちぃ君はお母さんに似てるよ。

だって、こんなに綺麗な人がお母さんなら納得だよ。

稜さんもとても素敵な人だけど、稜さんが惚れるのも

分かるぐらい綺麗で魅力的な人だ。