本当に変わった家族だと思われる。
あたしが変わり者なら家族はとんでもない変わり者
ばかりだと思わなくちゃいけないな。
「家の家族は全員変わり者だと思います!」
それを不思議と恥じる気にはならないんだ。
「日和ちゃんの育ちの良さってのは家族の
影響を大いに受けてる感じがするよ。」
「こいつらは、学校ではどんな感じなのか?」
稜さんは、みんなの親御さんっぽい。
「遅刻が多いですね、欠席と早退もたまにあるので
出席日数を心配していましたが、基本的に根は真面目
なようでテスト期間はきちんと受けていますよ。」
何故か、担任の役職を任されたような気分だ。
「へぇ~、よく分かってんだね?」
伊織君父の適当さが親子似ているような気がする。
「ええ、管理を任されているので詳しい観察状況を
随時校長先生にレポート提出しているのです。」
実は、校長先生が一番きになってるようで様子を
よく聞かれるからレポートをたまに提出している。
「はぁっ!?」
「レポートを提出すると図書カードを謝礼にもらえるんだ!」
「わ、ワイロじゃねーか!!」
「ワイロとは何を失礼な!」
ユウヤ、校長先生にあたしは断ったのだよ。
だけど、そういうわけにはいかないという大人の事情
を悟ってあげなければ世渡り上手ってわけにもいかない!
「ハハハッ、学校でも頼りにされているんだな。」
「えっ!?そ、そういうわけでは・・・・」
そんな立派なことはまだ出来てない。
やっぱり、あたしにも限度がある。
目標は高く掲げすぎたかもしれない。
それでも、諦めるほど弱気でもない。
「だけど、任せて下さい!言ったからには、
絶対に責任を持って卒業させますっ!」
約束は守るためにあるんだと思うんだ。
「どーしてそこまでする必要があんのかな?」
伊織君父がお雑煮を食べながら聞いてきた。
「約束したんです!お友達になってくれるなら
一緒に卒業しましょうと。友好条約ってヤツですね。
可能性はたくさんこれからだってあるのに、
気付かないなんて勿体無いのです!」
それをどうしても知って欲しかった。
敵ばかりの世界に居るなら尚更そんなことも
ないんだよと伝えたいがためでもあった。

