稜さん、茶目っ気で言ってるつもりなのかも
しれないけど脅しに近い気がしてソワソワした。
真横から熱い視線を感じるけどもテーブルを
必死に台ふきで拭いてすぐに何か別の話題転換
してやろうかと考えた。
「(´・ω)っ」
し、視線で服が焦げる気がする。
「みんな、ふっ、普通ですよ。」
嫌いとか思ってたらここまで来るわけがないと思う。
「普通って何だ?」
夏君と一緒に視線を向けないでもらいたい!
「ふっ、普通は普通だ!」
そんなもん知るか!
自分で考えてくれよ。あたしが普通と言ったら普通なんだ。
「(。´-ω・)? 」
なっ、自分で考えんか!
「た、食べ物に例えるならイカゲソにしておこう。」
「イカゲソがオメェの普通なのかよ!?」
「普通に好きだ、美味しいじゃないか。」
な、イカゲソを笑うとはバチが当たるぞ!
「日和ちゃんって変わった子だな~」
「最近、何故かよくそう言われます。
あたしとしては普通だと思っていたのですが、
どこら辺が変わっているのでしょうかね?」
伊織君父、是非とも教えて頂けないでしょうか?
「そういや、未依ちゃんは元気にしてる?」
「多分、元気にやってると思いますよ。うな重と
いくら丼とマグロのかぶと焼きが食べたいと駄々を
こねる余力があるので・・・お知り合いなのですか?」
母さんは仕事の話をしたことがない。
小さい頃も今も何をしてるのかよく分からない。
ただ、父さんがいつも母さんがモテすぎて心配だって
ウザいぐらい追っかけてたのは知ってた。
「昔、すれ違ったぐらいなんだけどさ、絶世の美女だったよ~。
あれで、子持ちだったとは思えなくてさ、美人なお母さんだよね?
今の話聞くとお母さんも変わった感じなのかな。」
何度も言うようだが、あたしの母は恐ろしい程綺麗だ。
自分の母親とは思えないほどに美しい人である。
そして、中身はその外見とは裏腹に男気あって自由気ままで
冷たいようで父さんを愛してるんだと思う。

