心配だって言ってくれて昼寝も出来なくなるぐらい

心配してくれた日もあったんだと思う。

あたしがこんな間抜けだから傷つけた。

みんなの大切な人をあたしが傷つけた。

流れる血液は止まらない。

悔いるならば、もっとしっかりしてれば良かった。

こんなふうにならないぐらいしっかりした子で

心配なんてかけさせないぐらい出来た女になるべきだった。

「返事・・・・して・・よ」

守れって何一つ言ってないのに。

こんなの迷惑だって言ってやれば良かった。

抱きしめられた瞬間突き飛ばせば良かった。

そうすれば、あたしで済んだかもしれないのに。

「・・・ッお願いだから」

綺麗なオレンジ色の髪の毛が赤く染まる。

あたしのせいだ。

不良メンバーズにも稜さんにも純玲さんにも

黒宮家の一員にも古河家にも馨君にもナル君にも

京君にも慶詩にもユウヤにも伊織君にも申し訳なさで

頭が上がらないし呼吸が苦しくなる。

何されたって何も言えない。

どうして、あたしなんかを助けた?

命を掛けるほどでもないのに。

ズキっと響く頭に何か触れちゃいけない

何かがあたしに疼く。

「・・ちぃ君、死んじゃ・・・嫌だ」

ただ、涙が溢れて頭痛を突破らって、

呼びかける声は虚しいほどに小さかった。

ぎゅっと握り締めたちぃ君の制服はシワになるだけで、

ピクリとも動かないちぃ君に胸が痛くなる。

今更気付いたって遅かった。

あたしは自分が守ってる気で居たけど、

ちぃ君はいつもあたしのこと守ってくれてたんだね。

間に合ったってそういう意味だったんだ。

気付かないあたしは本当にみんなが言うとおり鈍感だ。

「死んじゃ・・・・嫌だよ」

だから、絶対に死なせない。

あたしがちぃ君を守ってみせる。

それで、言いたいことがあるの。


“馬鹿もんが!!”


言ってやるから目を覚まして