こ、こうやって見るとちぃ君子どもが好きなのかしら?
夏君のほっぺをぶにぶに突っついて楽しそうにしてる。
ラブラブな2人を見てると何故かちょっと羨ましい!
夏君が可愛すぎて誘拐してやりたいわ。
そういえば、ちぃ君動物にも好かれてたような!!
小さいものの味方っていうのかね。
座敷の方に移動するみんなにオロオロしながらも、
ナル君に引っ張られる形で突入することにした。
和室の広い部屋でとにかく空間が広すぎて落ち着かなかった。
テーブルの方に座って行くのを見ていてどこに座れば
良いのかしらと思いながらも迷うことなくナル君に
連れてかれてナル君とちぃ君の間に入れられた。
ナル君の横には馨君でちぃ君の横には伊織君。
ちぃ君の真ん前に稜さんでその横には伊織君父その横は
ユウヤに京君それから稜さんのもう一つの隣側に慶詩と
な、何か囲まれた!?
に、逃げることが出来ない状況ってヤツなのか!!
唯一の救いはココちゃんがお膝の上でまだ寝てること
とナル君が横に居ることだけだと思われる。
どっどどっどどどっと心臓が激しく動揺してる。
しかし、何故こうなった!?
ちぃ君の隣って何か気まずいような気がして
完全にシャットダウンしてナル君の方に
視線を向けていたせいだからだろうか?
「日和ちゃんって千治のこと嫌い?」
「ぶっ――――――――――!!」
湯呑に入った緑茶を吹き出した。
ガードしてココちゃんにはかからなかったが、
テーブルを汚してしまった。
あ、あたしとしたことが礼儀知らずの小娘だと
に、日本刀で切りつけられやしないかね!!
「すいません、すいません、すぐに片付けます。
ですから、どうか、命だけはお助けを!!」
「日和ちゃん、そんなことで海に沈めようとは思わないから。」
「ひっい!
う、海に沈められるのか!?
それはもっと論外だ!
あたし、絶対に溺れ死ぬのは最も避けたい。
前世で何があったか分からないが、それだけは
どうしても嫌だと思っている。
きっと、前世であたしは溺れたんだろうな。
だから、泳ぐの苦手なんだ。

