頭が混乱してるあたしを他所に至って平常な藍ちゃん。

「・・・・・まだ、分からない?」

「制御不能でキャパオバーですよ。」

「・・・・・まぁ、似てないからしょうがないのかな。」

その言葉の意味が分からず藍ちゃんを凝視する。

「・・・どういうことだ!?」

「あの中にお兄ちゃんが居る。」

「えっ――――――――――――!?」

それは驚き過ぎて盛大な雄叫びを上げた。

「煩い・・・・・・」

「ご、ごめんなすって!」

「・・・・驚くところ?」

「そりゃあもう今世紀最大と言っても可笑しくない程に!」

吃驚し過ぎて意識がブラジルまで飛んでったに違いない。

衝撃の新事実過ぎて混乱して脳みそ溶ける。

「だから、ありえないからあの人たちに恋愛感情とか

気持ち悪すぎて吐き気がする。」

「わわっ、すまなかったよ!」

藍ちゃんがクール過ぎるんですが!!

「いいけど、迎えきたよ。」

外に出ると大和さんが待っていて後部座席を開けてあった。

一緒に藍ちゃんと乗り込むと放心状態になりながら話を

頭の中で必死に整理しようと頑張った。

いくら、天才のあたしのもこれほどの衝撃はなかった!

少し車を走らせている大和さんは無言であたしと藍ちゃん

の様子を微笑ましく見守っている。

「大丈夫?」

藍ちゃんに気を使われた。

「・・・・だ、誰がお兄ちゃんか聞いていい?」

意を決して藍ちゃんに食い入るように見ると、

一瞬驚いたように目を見開いた藍ちゃんがフッと笑った。

「あれが、私の兄よ。」

少しの間を開けると藍ちゃんが窓の外をスッと指差した。

曇った窓ガラスはスモークが掛かっていて外からは

決してこちらの様子は見えない。

でも、自転車に乗りながら考え事をしている人物を見て

その人物を凝視した。

「・・・・・ゆ、ユウヤッ!?」

ありえないことは更に続くのかと思った。

どんな強靭な心臓を持っていてもこれだけ一気に

あれこれあると持つわけがない。