パチリと目を瞬くと馨君が何か紙袋のような物を
持ってあたしに差し出してきた。
「な、何でしょうか?」
何かのワイロなのかもしれないぞと思い疑いの眼差しを
紙袋に向けていると馨君が困ったように笑った。
「一応、サユリちゃんにも聞いて選んだものだけど、
日和ちゃん聞いても欲しいもの言ってくれないしね。」
「むむっ!?」
フライドチキンをお皿に置いてそれを見てたサユにウェット
ティッシュを差し出されて油を拭き取る。
「ほら、日和ちゃん毎回誰かの誕生日来るとケーキ焼いて
くれたりするからさすがに何かプレゼントしないとなって
俺たちからのプレゼントね?」
「ええっ!?そんな、気を使わなくても良いよ!
第一、ケーキはあたしが好きで作ってるわけだし、
ほ、本当にあたし・・・・貰っていいのか?」
誕生日会で十分満足してたのにこれはちょっと
反則なんですが。
「貰ってくれないと困るよね。」
「で、ですよね、開けても良いでしょうか!?」
馨君からそれを受け取ってすぐに聞いてみたら、
どうぞって馨君がにっこり笑った。
ガサガサ紙袋をこじ開けていると、
雑だな~っと伊織君が笑った。
失礼なと思いながらもそのまま紙袋に入ってる
物を膝の上に広げたら驚き過ぎて一瞬時が止まった。
これを、フリーズと世間では言うんだな。
思考回路が危険信号を出して待ちたまえと動きを
ストップ掛けているんだな。
「あれ、気に入らなかった?」
「か、可愛いっ!」
これ、あたしに!?
だ、誰がこれを買ったんだろうか!?
俺らって馨君言ってたけどまさかみんな乙女趣味!?
そ、そんなイケメンなのに残念過ぎるオプションだわ。
「ヒヨリン、それサユリンが選んでくれたんだ。」
「な、何と!?」
よ、良かったぜ。乙女趣味ではないようだ。
サユ、センスいいな。
やっぱり、あたしの唯一無二の親友で間違いない。
あたしの好みをよく理解してるよ。
チューリップの形をした鏡とひよこさんのバレッタ、
極めつけはこのひよこさんのマスコットが付いてるシャーペンだ。
こんなに貰っていいんですかい!?

