Hurly-Burly 5 【完】


パチリと目を瞬くと馨君が何か紙袋のような物を

持ってあたしに差し出してきた。

「な、何でしょうか?」

何かのワイロなのかもしれないぞと思い疑いの眼差しを

紙袋に向けていると馨君が困ったように笑った。

「一応、サユリちゃんにも聞いて選んだものだけど、

日和ちゃん聞いても欲しいもの言ってくれないしね。」

「むむっ!?」

フライドチキンをお皿に置いてそれを見てたサユにウェット

ティッシュを差し出されて油を拭き取る。

「ほら、日和ちゃん毎回誰かの誕生日来るとケーキ焼いて

くれたりするからさすがに何かプレゼントしないとなって

俺たちからのプレゼントね?」

「ええっ!?そんな、気を使わなくても良いよ!

第一、ケーキはあたしが好きで作ってるわけだし、

ほ、本当にあたし・・・・貰っていいのか?」

誕生日会で十分満足してたのにこれはちょっと

反則なんですが。

「貰ってくれないと困るよね。」

「で、ですよね、開けても良いでしょうか!?」

馨君からそれを受け取ってすぐに聞いてみたら、

どうぞって馨君がにっこり笑った。

ガサガサ紙袋をこじ開けていると、

雑だな~っと伊織君が笑った。

失礼なと思いながらもそのまま紙袋に入ってる

物を膝の上に広げたら驚き過ぎて一瞬時が止まった。

これを、フリーズと世間では言うんだな。

思考回路が危険信号を出して待ちたまえと動きを

ストップ掛けているんだな。

「あれ、気に入らなかった?」

「か、可愛いっ!」

これ、あたしに!?

だ、誰がこれを買ったんだろうか!?

俺らって馨君言ってたけどまさかみんな乙女趣味!?

そ、そんなイケメンなのに残念過ぎるオプションだわ。

「ヒヨリン、それサユリンが選んでくれたんだ。」

「な、何と!?」

よ、良かったぜ。乙女趣味ではないようだ。

サユ、センスいいな。

やっぱり、あたしの唯一無二の親友で間違いない。

あたしの好みをよく理解してるよ。

チューリップの形をした鏡とひよこさんのバレッタ、

極めつけはこのひよこさんのマスコットが付いてるシャーペンだ。

こんなに貰っていいんですかい!?