おどけて言ってるのにすごい引かれた。
ドン引きされて後ずさる不良メンバーズが隙間から見えた。
「ちょっ、待ちたまえ。あたしの顔面を放置する気か!」
「ヒヨリン、大丈夫か!?今すぐ、取ってやっからな。」
ナル君が慌ててあたしに近づきクラッカーの始末で
埋もれたあたしの顔面を救出する。
「わわっ、すごいキラキラしてるではないか。」
こんなポップでキラキラした飾り付を不良のみんなが
やったとは到底思えない。
大体、飾り付けの道具を買いに行くのだって思い浮かべると
可笑しい光景が目に見えてきそうだ。
「ナル君、すごいね!いい匂いするね!」
「うん!!向こう座りに行こうな。」
手を引っ張られながらナル君に連れてかれて、
ソファーに座ると美味しそうな料理が並んでて目を輝かした。
「美味しそう」
「日和、嬉しそうね。」
サユも隣に座っていたことにビックリして、料理から
視線を変えてサユを見ると頷いた。
「どこがだよ。さっきのあれは何だ。ミイラとかぶっ飛んだ
こと言いやがってマジで引いたつうーんだ。」
慶詩の嫌味はこの際聞いてなかったことにしてあげよう。
「日和ちゃん、間近だったけど大丈夫だった?」
「うむ、次からはもう少し距離を置いて欲しいと
要望があったと言っておいてくれたまえ。」
馨君、あたしだから良かったのである。
もしも、ナル君の顔面が埋もれるなどという事態を
招き起こしたら不良メンバーズは全員お尻ぺんぺんさんしようと思う。
「そうだね、気をつけるよ。」
馨君が紙コップにオレンジジュースを注いでくれて、
はいっと渡してくれた。
それから、わーいっと騒ぎ出した不良メンバーズに
何とも言えずにモグモグと両手にフライドチキンを
握って見ていたらコホンっと馨君が咳払いをした。
「日和ちゃん」
呼びかけられて視線を馨君の方に向けた。
慶詩とユウヤが不良メンバーズに混ざってた。
「はい?」
フライドチキンを両手に振り返ると馨君がにっこり微笑んでいた。
よく分からないけど、馨君のピュアスマイルは良い兆候だ!!
あたしよくやったぞ。

