Hurly-Burly 5 【完】


ど、ど、どうすればいいんだ!?

こういう時はこうしておくべきだって本を誰か

出してくれまいかな!!

すぐに離れるほどの触れ合うキスに戸惑いを隠せない

あたしは明らかに挙動不審だった。

「・・・・・ぐはっ」

一応、夢か妄想の類かもしれないため念のため壁に

頭を打ち付けて見て確認を取った。

どうやら、これは夢でも妄想でもない。

現実のようであります。

「ひ、ヒヨリン!?」

これはどうやってやり過ごせばいいんだ!?

あたしに伝授して下さい恋の神様!!

寧ろ、ナル君は一体あたしのどこをお気に召したのだ。

こんなちんちくりんでナル君には到底不釣り合いな女だ。

最早、女の子として扱われてなかったようにも思える。

「嫌だったか?」

ナル君が不安そうにショボンと効果音が付きそうな

表情を向けて咄嗟に両手で否定した。

「い、嫌というか・・・そのナル君頭打った!?

もしや、今お熱でも出てるのかしら?

それとも、何か毒キノコでも食べたんだわ!」

とにかく、ナル君の瞳が潤んでる。

危険はすぐそこまでやってきてる。

何とかして回避しなければならん!

「そんなもん食べてないし、普通だよ俺?」

「ま、間違いは誰しもあることよ。」

「間違えたつもりもないよ。俺はヒヨリンが好きだから。」

「・・・・・あたしなんてやめた方がいい。」

ナル君の気持ちは有難いほど嬉しい。

ちゃんと、好きだって思ってることが伝わる。

ナル君をこんなにメロメロにしたあたしは

何を仕出かしたのだろうか?

「なんで?」

ナル君はあたしよりも背が高い。

あの7人の中ではナル君が一番低いと言っていたが、

あたしと比べるとナル君は背が高い分類に入る。

見下ろすように見るナル君の瞳はあたしをまっすぐと見つめる。

「だ、だって、あたしだよ?ナル君にはもっと可愛い子が似合う。

あたしなんて妄想してる上にキモイ笑いしか出来んし、女らしさ

の欠片もないのだよ。好きになってくれる要素が全くもってない。」

「そんなの関係ないよ。俺の目にはヒヨリンは女のことしか見えない。」

だから、ヤバイって思ったのにどうするあたし!!