一応、あたしも心配してもらえたようだ。
「だ、誰がバナナを!道端にあるゴミは
拾いましょうという標語を廊下に貼っておくがいい!」
「・・・・・検討しよう。」
ちぃ君が涙目になりながら立ち上がって答えた。
危うくなる場面も多々あると廊下から見知った人が
手をヒラヒラと振ってた。
「いや、日和ちゃんが一気に2人の母親になった
のかとビビったわ。」
「そうやって、見てると全然違和感ないよな。」
ターヤンさんとやっちゃんさんが驚いた顔をしていた。
「いいえ、あたしは人生設計はきちんと計画してますから
子どもは計画的に産もうと考えているのです。」
「け、計画!?」
「ええ、責任を取れるようになってから経済的な工面も
考えて適齢期も考慮する必要があると考えてますから
20代後半から間隔を開けて出産するのが目標ですね!」
「すごいね、そりゃ。」
※人生の設計はきちんと考えておくタイプです。
「先行きが不安な未来ですから計画は入念に
しておくのが大事だと思うんですよ。」
子どもは好きだから多ければ多いほどいいが、
出産の苦労が伴うのも考えると無理は出来ないわ。
「あうう!」
ぱっちりと黒いお目目を開けてうっと笑う
夏君がお目覚めのようであたしの人生設計の
話が中断してしまった。
ペチペチと胸を叩いてくる夏君の行動に
理解が出来なくて一先様子を伺う。
「えっ!?まさか、あたし残念ながらお乳は出ませんよ。」
首辺りのTシャツを引っ張る夏君にアタフタした。
「ど、どどどどどどどうしたらいいんだ!?」
「日和ちゃん、落ち着いて。」
「うっ?」
か、可愛いよ、しかしペチペチ胸を叩かれる。
「こ、これは何の意図があるんでしょうか!?」
「ちーせぇなって思ってんじゃねぇ?」
慶詩、めちゃくちゃ失礼な!
「ううっきゃふ!」
何かよく分からないが楽しそうで何よりだ。
泣かれなくて良かったと言うべきなのか?

