確かに、ナル君がすごいワクワクした顔で可愛いさ。

もうこの子はなんて可愛い子なんだと撫でくり回したいよ。

「あ、あたし、そんな簡易でいいよ。本当にナル君を

盛大に祝うのは分かるけどさ、あたしそんな盛大に

祝われるような偉人でもないもの。」

質素で良かったよ、こんな大きな会開かれたら

その2日後のパーティー行きたくなくなるじゃんか。

「そんなことないよ。日和ちゃんのおかげで全員進級

出来るわけだし、日和ちゃんの誕生日は盛大に祝わなきゃ。」

因みに、全員なんとか進級を果たした。

よっちゃんには泣いてお礼言われた。

試験の前夜家に泊めて徹夜で叩き込んでやった。

兄ちゃんが邪魔をしたりもしたが、あたしに

不可能って言葉はやはり存在しなかった。

「大したことしてない。それが、実力だったってことで

あたしにお礼なんて言わなくていいよ。」

何せ、あの悪魔がご苦労さんと言ってきやがった。

ヤツはそこまで見越してたに違いない。

来年は、自力で乗り越えて欲しいものである。

「何、言ってんのよ。あんた、この学校で史上初の

好成績たたき出して今学校がどれだけあんたのことで

大騒ぎしてると思ってるのよ。」

とくに、勉強してたわけでもなかったものの、

学年末でもパーフェクトを取ったあたしはこの学校

初の快挙を成し遂げたらしい。

「そんな大したことしてないのだが・・・」

ギロっとサユに睨まれて新聞から目線を上げた。

「しかも、何よこれ。この英語ばっか並んだ

新聞みたいなのよく読めるわね。」

「面白いよ。最近、こういうの見るのが趣味で、

たまに面白い記事を発見すると笑ってしまう。」

「笑ってないじゃないあんた!」

そうかな?笑ってるつもりだったのだが。

ここ最近の経済やらの話は大体把握出来たわ。

大和さんも日本に2週間前帰国した。

その日に家に来て兄ちゃんと3人でご飯食べて話した。

これは、パーティーの話ではなく普通に学校とか仕事

どうですかって感じの話が弾んだ。

それからは、たまに連絡をもらって大和さんも日本支部の

仕事が立て込んでいるからパーティーのことに付きっきりと

言うわけにもいかないようで大体の用意は伯父様がもう手配

しているとのことを聞いたから当日を控えるだけなんだと思う。