Hurly-Burly 5 【完】


京君の少し怒った顔があたしを見つめる。

「正直に言わないと駄目だ」

その表情から嘘は言えないって思った。

別に隠すようなことでもなかった。

ただ、心配をかけた上にこれでまた心配されないように

隠して治るの待ってただけだ。

「・・・・あのヤクザみたいな人に引っ張られてこうなった。」

あたしもビックリだったもの!

まさか、引っ張られただけで痣が出来るなんてヘボいぜ

あたしの体はなんて激弱なんだよ!!

「ヤクザって善のことか?」

そっか、この2人はよく分かってないよね!

あのヤクザがあたしを連れ回してた主犯だということを

知ってるのは・・・・・。

「ほ、ほれ、この間最後ら辺で登場した人だよ。」

「だから、善だろ。」

「いや、名前は知らんよ!馨君が風間って言ってたけどもさ。

全然、風間って雰囲気じゃなかったよね。」

そんな涼しそうな名前似合わないだろうよ。

しかも、善って名前なのか!?

全然、良いことしてなさそうだよ。

すごい極悪人面だったから善なんて名前似合わないよ。

改名をオススメしたいと思ってるよ。

伊織君、そんな呼び捨てにしちゃっていいの!?

「あー、今混乱してんだろ~ね。アイツ、ガキの頃

たまに兄貴面して来てたからな~。」

「そっか、伊織君とちぃ君って幼なじみだった!」

それすっかり忘れてたよ。ちぃ君自身誰だよって

言ってたから本当に知り合いなのって思ったけども。

「・・・・・善にやられたのか?」

「えっ、京君何故たい焼き握り潰して・・・?」

「次会ったら、殴っとく・・・・」

「にゃ、にゃんと!?」

京君の殺気をヒシヒシ感じます。

これは、もう京君キレちゃう手前ってのでしょうか!?

「だ、駄目駄目!京君がそんなことする必要ないよ。

ほら、もう薄くなってるし最初は痛そうだったけど

今は本当に痛くも痒くもないものホント・・・いだっ」

伊織君がわざと痣のところを押した。

確かに、痛くないんだけど強いんだよ!!

今の絶対悪意が込められたプッシュだったよ。