京君の少し怒った顔があたしを見つめる。
「正直に言わないと駄目だ」
その表情から嘘は言えないって思った。
別に隠すようなことでもなかった。
ただ、心配をかけた上にこれでまた心配されないように
隠して治るの待ってただけだ。
「・・・・あのヤクザみたいな人に引っ張られてこうなった。」
あたしもビックリだったもの!
まさか、引っ張られただけで痣が出来るなんてヘボいぜ
あたしの体はなんて激弱なんだよ!!
「ヤクザって善のことか?」
そっか、この2人はよく分かってないよね!
あのヤクザがあたしを連れ回してた主犯だということを
知ってるのは・・・・・。
「ほ、ほれ、この間最後ら辺で登場した人だよ。」
「だから、善だろ。」
「いや、名前は知らんよ!馨君が風間って言ってたけどもさ。
全然、風間って雰囲気じゃなかったよね。」
そんな涼しそうな名前似合わないだろうよ。
しかも、善って名前なのか!?
全然、良いことしてなさそうだよ。
すごい極悪人面だったから善なんて名前似合わないよ。
改名をオススメしたいと思ってるよ。
伊織君、そんな呼び捨てにしちゃっていいの!?
「あー、今混乱してんだろ~ね。アイツ、ガキの頃
たまに兄貴面して来てたからな~。」
「そっか、伊織君とちぃ君って幼なじみだった!」
それすっかり忘れてたよ。ちぃ君自身誰だよって
言ってたから本当に知り合いなのって思ったけども。
「・・・・・善にやられたのか?」
「えっ、京君何故たい焼き握り潰して・・・?」
「次会ったら、殴っとく・・・・」
「にゃ、にゃんと!?」
京君の殺気をヒシヒシ感じます。
これは、もう京君キレちゃう手前ってのでしょうか!?
「だ、駄目駄目!京君がそんなことする必要ないよ。
ほら、もう薄くなってるし最初は痛そうだったけど
今は本当に痛くも痒くもないものホント・・・いだっ」
伊織君がわざと痣のところを押した。
確かに、痛くないんだけど強いんだよ!!
今の絶対悪意が込められたプッシュだったよ。

