Hurly-Burly 5 【完】


大体、不良メンバーズなんてあたしのこと女だって

知ってるのか分からない。

最早、みんなあたしが男かもしれないって思い込んでる。

お、恐ろしい・・・慣れって怖いね。

っと、いけないわ。あたしとしたことが京君を困らせて・・・

「うおいっ、ねっ、ちょっと!!ちょいと!!」

スタコラサッサしないでええええ!!

あたしが空想に耽ってたことは謝るわ。

だから、置いていくでないよ。

「うわぁ~、京ちゃんあのお嬢ちゃん怖いよ。」

「・・・・・・・・・伊織、ひよこで遊んでる?」

絶対に、伊織君マジックに騙されてるよ!

京君、そいつは邪悪な魔界の追放者なんだよ!

RPGとかに出てきちゃうちょっと影ありますって

感じの成りすまし野郎なんだ!!

詐欺師もビックラするよね。そりゃあ、もう邪悪な

魔界にすらチミはもういいよって言われて地球に

派遣というよりは居場所が無くなってきちゃった悪い魔導師なのよ!

※つまり、全て日和の妄想です。

「京君、伊織君よりも断然あたしの方が安全だ!

安全保証を確約しても良いと思うもの。そうよ、

魔界に京君は連れてかれないようにあたしが阻止

してみせるわ!更なる上は、あたしも魔術を取得

する必要があるということだな。」

※もう日和の中では伊織が魔導師にしか見えてません。

「おいおい、ひよちゃ~ん、冗談キツイじゃね~の。」

「本気と書いてマジだ。」

「・・・・・・ひよちゃん、一旦帰って二度と帰ってこないでいいよ。」

「なっ!あたしを除け者にしようとするな!!」

伊織君ったら酷いではないか!

血も涙もない鬼だわ。

「・・・・・ひよこ、置いてかないからおいで。」

うわ~、見ました!?

もう悶絶しちゃいそうなほどだわ。

失神しても今なら納得して頂けるかもしれない。

伏し目がちにこちらを見る京君にキュンとします。

「あらら、京ちゃんそれでも少しは克服出来てんじゃねーの?」

もう一生京君があたしに触れなくてもいいや。

照れる京君を見れる女子なんてきっとあたしだけだと思う。

そんな美味しい役だから欲張らずにこの関係続けていきたい。