春麗らかさに少しずつ暖かさを感じさせるような

季節の訪れが参りました。

あの、ナル君誘拐事件が忘れかけてきてついに

3月に入っていたようでテスト期間中は引き続き、

委員長としての役職をこなしながら不良メンバーズの

助っ人として日々活躍中の絶賛順調街道をまっしぐらである。

「立花さん、ありがとう。」

プリントを届けにやってきたあたしに優しい笑みを浮かべる

生物学のおじいちゃん先生からお饅頭をごっそり貰った。

あたしは食べられないけど、折角貰ったものを断れずに

紙袋を抱えることになった。

生物学に精通してる茅野先生とはたまに生物学のお話をする

間柄で入学当初から話し出すと何時間でも喋れてしまう。

興味深い知識を語ってくれる茅野先生はおじいちゃんなだけ

あってとても博識で元々は大学で教授として活躍していたそうだ。

「茅野先生、この間貸してくださった本とても面白かったです。

とくに、生物の源を細かく説明しているページの図が

興味深くてとても気に入りました。」

この学校はどちらかといえば進学校ではある。

あたしが元々行くはずだった進学校と比べれば

大したことないレベルではある。

でも、どこへ行ってもあたしは自分の好きなことを学ぼうと思う。

ここで、出来ないことはないと思っている。

「そうかね。あれは、分かる人居なくてね。立花さん、

やはり君はそういう分野に興味があるのかい?」

本を見てるとワクワクしてドキドキが止まらなかった。

多分、このあたしの勉強熱心なところは母さんに似たもの

だと思っている。

母さんは、弁護士になったがその前は研究に没頭する

ほど調べ物が好きだった。

弁護士になったのは経済的なことを考えてだと言っていた。

子どもに不自由な思いはさせないが母さんの信念であり、

家族はあたしが守るっていうのも母さんの強い意志だ。

父さんを好きにさせてあげたかった母さんが経済的面を

しっかりとしていたわけでそんな母さんが弁護士を辞めて

やりたかったことをやっているわけだから結果オーライなのかもしれない。

弁護士でも勝気な母であるため検察を屈服させるのが

非常に楽しかったと言っているから嫌だったわけでもないだろう。

「興味はあります。神秘的なものが好きで調べるのも

どちらかといえばなのですが。」

「そうかい、僕の方で小耳な情報が入ったら教えてあげよう。」

調べ物をすると時間を忘れてしまうほどだけど好きだ。