Hurly-Burly 5 【完】


こ、子どもの前での慶詩の焦り具合!!

「プククッ」

※ポーカーフェイスで声に出してるだけです。

「殴んぞ!」

「ココちゃんを前になんて乱暴な言葉を使うのかしら!」

「てんめぇな!!」

「慶ちゃん、ひよちゃんのこと好きなの?」

「あ!?」

ココちゃんの爆弾投下で慶詩がブチ切れる寸前だった。

「こ、ココちゃん、それはないっすよ。」

「だって、ママが言ってたよ?男の子は好きな子に

意地悪するんだって言ってたもん。」

「そ、それはココちゃんがきっと可愛いからですね。

あれは、確実に悪意が込められてます。」

「あくいってなーに?」

「悪いことしてやろうって思うことですよ。」

「慶ちゃん、めっだよ!」

ココちゃんが可愛く慶詩にそう言うと、

「ッチ」

舌打ちをして小石を蹴飛ばす慶詩だった。

「心、おにいのところおいで~」

「やーなの!ひよちゃんがいいの!

心ね、お姉ちゃん欲しいの!

優しくてひよちゃんみたいな可愛いお姉ちゃん欲しかったの!」

「ぐふふっ」

※心の中では小躍り状態の日和です。

「心ちゃん、ひよちゃんは可愛かないよ。あれは見せかけなのよ~」

い、伊織君なんてことを!

「じゃあ、おにいのお嫁さんになったらひよちゃん心の

お姉ちゃんになってくれる?」

「ぶっ――――――――!!」

飲んでいた緑茶を見事にぶちまけてしまった。

※ココちゃんと夏君にはきっちりガードして守った。

「や~ね」

伊織君、そんなこと言ってる場合か!

「ひよちゃん、おにいのお嫁さん譲ってあげる!」

「いや、困ります。あたしには荷が重すぎる・・・」

何たって、伊織君の女癖の悪さはこの目で検証済みですよ。

お断りのお断りだよね。

オジサンたちがゲラゲラ笑ってるけど、このココちゃんの

すがるような目を見てたらいいよと言ってしまいたくなった。