一体、何をする気で居るのかは聞かない方が良さそうだ。

なるべく、穏便に済ませたいとは思ってる。

決して、争いを好む性格ではないから聞いちゃ駄目だと思ってる。

「ヒヨリン、向こうでおしぼりくれるってよ。」

ナル君のこの純粋さはどうやらとてつもない巨大な

権力で守られているようだ。

「・・・・・・・ハハ、今行くよ。」

乾いた笑いしか出ないよね。

「あ、そういえば、何であたしの居場所が分かったんだろうか?」

今になると不思議だったので質問してみる。

隣町に出かけるとは言ってないし、急遽決まったことだ。

それを何故ここだと分かったのか謎だった。

「GPSで調べればどこに居るか分かるよ。」

「な、何と!?」

目ん玉が零れおちそうになった。

いや、多分もう零れおちてる。

「でも、結構移動してたから会えるまでに時間掛かったけどね。」

「いや、な、何してるんだ!」

あたしの居場所をいつでもどこでも調べられちゃうのか!?

そんなハイテクで恐ろしい機能が搭載されるのか!!

これからは、何も持たずに出かけようと思う。

油断も隙もないわね。

「ヒヨリン、まだか?」

キューティーナル君のところへ飛んでいった。

「日和ちゃんが鈍感で良かったね。」

「しょうがねぇーじゃねの。ナルちゃんといい。

純情コンビは世話が焼けるね~。」

伊織君の言葉に全員が頷きながら、

2人を温かい目で見守っていたことは

不良メンバーズの全員が涙ぐみながら見ていた。

「ヒヨリンもナルさんも無事だったんだな。」

「俺もう誘拐されて身代金用意させられてるって

聞いた時はへそくり探しに行こうかと思っちまったよ。」

「オメェのは大した金持ってねえべ。」

「見てみろよ、ひーちゃんが血だらけだ。

あれは、きっとひーちゃんがナルさんを助ける

時に返り血を浴びたに違いねえ!」

「「「「つ、強えよひーちゃん!!!」」」」

この夜、日和は不良メンバーズに最強と認識されるのであった。