そして、ナル君を見てみんなが一斉にあたしへ
殺意の視線を向けてきて咄嗟に手を前に出して否定した。
「わわっ、あたしナル君を食べたわけじゃないよ!
これは鼻血だ!実に大量噴出で若干フラフラするけども、
ナル君を送ってくまでは倒れたりしないんだよ。」
「日和ちゃん、そんだけ出てれば貧血起こすよ。」
「這ってでも送り届ける使命があたしにはあるんだがね!」
「ナルちゃん、泣かしといたのにー?」
伊織君がへらりと笑ってナル君を見ると、
ナル君が顔を真っ赤にして否定した。
「いや、ナル君は宝石を生産していたんだよ。
きっと、全国でナル君の宝石出荷を待ちに待った
マダム達が今晩は祝杯を上げてるに・・・・」
「オメェ、もう妄想がかなりやべぇとこまで行ってる。
死期が迫ってんだろ。遺言に俺様は素敵だったと残して逝け。」
「絶対にそれはない!」
慶詩の頭は心底馬鹿でしたと書くわ。
馨君が困ったようにティッシュで顔を拭いてくれるも、
すでに固まった血にあたしの鼻の下辺はカピカピさんだった。
「日和ちゃん、気分悪いなら言ってね。」
「馨君、あたしの死因は出血多量死になるだろう。」
「予言って日和ちゃん希望は捨てないでね。」
馨君が非常に困りながら手についた鼻血も取ろうとしてくれた。
「・・・・・馨君あたしは女の子として非常に
マズイ顔面を晒してるようだ。」
「今更だから大丈夫だよ?」
「い、今更・・・・どうやらあたしの女の子としての
生涯はいつの間にか閉じたらしい。」
「言い方まずかったね。」
しかし、今回の騒動はあたしが100%悪い。
「あ、あの、申し訳ない。あたしの勝手な行動が
ナル君を危険な目に遭わせたので処分を受ける所存だ。
煮るなり焼くなり好きにするといい。」
本当に嫌だって思った。
あたしのせいでナル君が怖い目に遭った。
みんなが平和にしてるところに大騒動を巻き起こした。
怒られてキレられるのも覚悟の上だ。
何なら、潔く切腹してやっても文句は言えまい。
「そうだね、日和ちゃんにはだいぶ振り回されるけど
それって俺たちが好きで振り回されてるわけだから
気にすることないよって言ってあげたいけどね。
日和ちゃんに何かあっても俺たち許せないと思う。
相手を加減することも出来なくなるかもしれない。」
「ぬぬっ!?」
馨君が真剣な表情で言うから嘘はない。
それでも、最後ら辺は聞いちゃいけなかったと思う!

