Hurly-Burly 5 【完】


みんなが降りて来るとココちゃんが伊織君

に飛びついてすぐにこっちに走ってきた。

「ぐふっ」

「ひよちゃん、大ちゅきっ!」

お膝までよじ登ってほっぺにちゅーされた。

「随分と仲良くなってんじゃねぇ~の?」

「えっ?そうかいね!」

ココちゃんがギュッと服を掴んで膝の上に座り直した。

「稜さんが夏と睨めっこしてる間に電話が

掛かって着たらしくて目を放した隙に消えたって

奥で大騒ぎしてたからここに居ると思わなかったよ。」

「夏君、1人でハイハイしてて危なかったから

拾ってみんな追っかけようと思ったら見失ってしまって

すまなかったね、探させてしまって!」

馨君の言葉で真実が明かされた。

稜さん、しっかりしてくれよ!

あと少しで踏みつぶしてしまうところだったから!

「いや、悪い。夏希が世話になった。」

ちぃ君が夏君を見つめる目が優しい。

「いいえ、どういたしましてです!夏君大人しかった

のでずっと寝ていましたから、ココちゃんも寝てましたよね?」

「うん、ひよちゃん優しいの!大好きなの!」

「日和ちゃんって子どもに好かれるよね?」

「えっ?そうかいね!?」

「そういう場面を何度か目撃したし、夏は人見知り

激しい方だから初対面の日和ちゃんにそんな気を許す

なんて天性の才能かもね。」

か、馨君、そんなに褒めないで!

「そーいや、文化祭の時もちびっ子に囲まれてたよな。

同類だと思われたんじゃねぇの?」

「し、失礼なっ!」

慶詩がケラケラ笑う。

「あ、でも知ってるんですよ。ココちゃんに“慶ちゃん”って

呼ばれてるんだよね?」

「なっ!!」

「ププッ」

「テメェ泣かす!」

「おっかないお兄ちゃんですね。」

ココちゃんがキョトンとした顔で慶詩を見つめると、

頭を掻きながら引きつり笑いを浮かべた慶詩に笑えた。