手を止めることなくナル君のことを話した。
「すごく純粋で可愛くて元気でみんなの癒し系なのです。
みんなが大事にしている子だからとっても良い子です。
一生懸命で頑張り屋さんなので今もきっと頑張ってる
と思うのです。例えるなら、天界から舞い降りたエンジェルですね。」
「・・・・・・・・・・・・そっか。」
「はい!一緒にこのお店から出ましょう!
お連れの方も是非一緒にあたしと一緒に
探しに来た友達も多分強いと思われるので
何とかなります。いや、絶対に何とかします。」
結び目を3つ取ってもまだ解けないところから
みると相当固くきつく結ばれたらしい。
「・・・・この子もさ、暗いところ駄目なんだ。
だから、気絶してるんだけどさ・・・」
少しはあたしに警戒心を無くしたのか
さっきからずっと庇ってた人の話をする。
「そうなんですか!?他人事とは思えません!
是非、早急に外に出れるようにあたしも協力します!!」
気絶するんほどとは相当怖かったに違いないわ。
「・・・・・多分、俺に助けられても嬉しくないと思う。」
「へっ?」
声色からも分かるぐらい寂しそうな声だった。
何だか、とてもブルーな気持ちになった。
「あんたさ、良いヤツっぽいし俺の代わりに
守ってやってくれないかな?女の子のあんたに
言うのも変な話だけどさ、俺に守られるの嫌がるだろう
からさ頼まれてくれないか?」
「あ、あたしですか!?」
見ず知らずの連れ人をあたしが!?
貴方が居るのだから貴方が守ればいいことじゃないか。
「貴方にとってその方は大切な人だから
ずっと庇っていたのではありませんか?
だったら、あたしではなく貴方の方が」
「やむおえない事情ってのがあんだ。」
落とされた言葉に詰まらせた。
沈黙が訪れた部屋で足の紐が全部解き終わった。
自由になった足を少しばたつかせる男に
何も言えなくなった。
「どうしても、この子だけは守ってやりたいんだ。」
結局、この人の思いに根気負けした。
これだけ守りたいと言われたら協力しないわけには
行かなくなるわけで切羽の詰まった感じに渋々了承した。

