Hurly-Burly 5 【完】


空瓶にまんまと足を取られて後ろにズドンってヤツだ。

今、絶対すごい音したかもしれない。

だけど、背中はどうも痛くないみたいだ。

絶対に痛い衝撃が来ると構えていたせいか

すごく拍手抜けっていうヤツでどうもあたしは後ろに

ひっくり返ってまだ開けてなかった部屋のドアの中に

入ってしまったらしい。

ドアが半分ぐらい開いてたせいで部屋に転がったようだ。

転がりすぎて目が回りそうになったが受身を取っていた

こともあって衝撃は自然と自分で防げてたっぽい。

あたし、ミラクルガールかもしれない!

転がった部屋の中で天井が見えてハッとした。

あたし、駄目じゃんか。

ユウヤと馨君から離れちゃいけないっていう約束

を守れなかった暁には馨君にこっぴどく絞られる気がする。

最早、ちぃ君に締め上げられるやもしれん。

一瞬でも絶対に許してもらえないような気がして、

ムクッと起き上がってすぐ様部屋から出ようとしたら

何か踏んづけてしまった。

ゲッと思って声を上げたくなったが自分の手で口を抑えて

妄想の世界でやまびこした。

『な、何か踏んじまったっ!!』

暗くて何も見えないからそれが何かも分からない。

って、何で暗いんだ?

確か、ドアは半開きで少しぐらい見えても・・・

ど、ドアが閉まってる!?

可笑しいな、閉まってたらあたしどうやって入って

来れたんだ?

もしや、ワープした!?

ドアをすり抜けて来たのか!?

じ、人類の快挙を成し遂げた!!

あたし、すげーよ、ノーベル賞ものだと自負出来るよ。

ドアに近づいてもう一回ワープ出来るかもしれないと

思ってドアを押してみるがビクともしない。

念の為、ドアノブも捻ってみたが開かない。

これは、俗に言う・・・・閉じ込められた!?

どっかにスパイが居るのかもしれないと周りを

キョロキョロしてみるも何も見えてこない。

パニックになりすぎて慌てたらまた床にある

物体Xを踏んづけてしまったようで尻餅ついた。