その内、裏口にたどり着いて作戦会議はどうやら
あたしが妄想してる間に終わってしまったらしい。
「防弾チョッキを着てくるべきだったかもしれない。」
何か、盾とかになる物を探しとくべきかもしれない。
「日和ちゃん、一旦妄想するのやめとこう。
これからって時に誰も止めてあげられないから
少しの間辛抱してくれればいいから。」
馨君がブラックオーラを広げる。
「・・・・承知した。」
どうも、あたしは不安要素らしい。
空気から察してみんなしてゾッとするような
黒いオーラが見えるからあたしはスピリチュアル
の妖精になれるのだと思う。
新作の妖精衣装をネット注文しなくてはならないじゃないか!
「日和ちゃん?」
「ひっい!分かってる。もうしない。こっからは
本当に涙を呑んで妄想しないって誓いますッ!」
あまりの恐怖に背筋が凍りつきそうだ。
いや、ここは北極に瞬間移動したのかもしれない。
って、またやっちまった!
もう病のようで切り離せない癖になってる。
恐るべく、あたしの妄想癖!
そんなあたしを他所に裏口のドアをカチャっと開けた。
見事にタイミング違う気がした。
ここはもっと慎重に中の様子とか伺いながら、
そっと開けるのが普通だと思うんだけどその常識を
打ち砕いた我らがボスはズカズカいや堂々と中に入った!?
「いいの!?いいの!?あれで、いいの!?」
「日和ちゃん、とりあえず静かにしよう。」
パニックになるあたしに馨君が宥める。
もう、不良会ってどうなってんのよさ。
しかも、裏口手薄でいいのかい!?
簡単に突破しちゃっていいものなのか!?
アタフタする状況がやってきた!
「何やってんだ。早く、隠れろ。」
えっええええええええ!?
こんなことってある!?
さっきまで堂々と店の中歩いてたよね。
物陰に隠れてるみんなに唖然と立ち尽くすばかりだ。
もうあたし自分の勉強不足さを思い知った。
これは、予習しておくべきだった。
事前に知っておく要素が多すぎて処理しきれない。
帰ったら、しっかり勉強しておこうと思う。

