Hurly-Burly 5 【完】


過保護なちぃ君のことだから絶対に置いてきたい

に決まってる。

「そ、それでも、危なくなったら煙玉使って

安全そうなところに避難する!」

最大限に迷惑をかけないように自分の身は守る。

「・・・・・・お前、何でそんなもん持ってんだ?」

「兄ちゃんが持たせたから理由はあのふざけた

我が兄に問いただしてくれたまえ。」

兄ちゃんはあたしに忍者になって欲しいんだろうか!?

寧ろ、あたしに何の期待を込めてこんなもの持たせて

居るのか帰ったらしこたまお説教してやろうと思ってる。

何故か、ずっと重いなと思ってたけど何だこの防犯グッズ

の数々は今時こんなに持ってる人居ないよ。

絶対に何かあること想定されてるナルシストじゃあるまい。

「・・・・・分かった。お前も連れてく。」

多分、ここに残ってあたしが何か仕出かすんじゃないかって

ことを心配してるに違いない。

確かに、残ってジッとしてられる気がしない。

ここからでも何か役に立ちそうなことしてと考えると思う。

「但し、無茶はするな。」

約束出来なければユウヤとここで残ってろと付け加えた。

だから、こればっかりは折れるしかない。

何しようかあたしは突如仕出かすタイプだから、

約束出来ないと言いたいところをグッと堪えた。

「出来る限りの努力と邪魔にならない程度に」

「絶対に無茶すんな。」

「あ、アイアイサー・・・・・・」

ギロっと漆黒の瞳が絶対に余計なことすんなよと

ばかりにあたしを見つめるものだから頷くしかなかった。

そうじゃないと、絶対にユウヤと置いてかれる。

きちんと、目にしたいところを見逃す。

「んじゃ、行くぞ。」

それが合図のように顔つきが変わるみんなに

緊張の面持ちでこれまたやっぱり妄想を繰り広げてた。

スパイのような感じがしてどうしてもちょっとだけ

妄想して精神を統一させようと思ってた。

建物の隙間を縫って店の裏に回る最中、

あたしの頭の中では銃撃戦が繰り広げられた。

実際、銃なんて持ってないけど、こんなことは

経験上にないことだから刑事ドラマとかで見たこと

ある場面を思い出したんだろう。

銃から銃弾じゃなくて水鉄砲が出てきた時は

あたしの妄想はここまでしか出来なかったと

自分の妄想のクオリティーについて多少検討する

必要がありそうだと思った。