慶詩にげんなりされたけど、事実あたしも一度
マニアに拉致されかけたことがある。
『僕の可愛い天使』とか言われて袋に詰められそうに
なったところをサユが颯爽と蹴り飛ばしたので未遂ではある。
「妄想じゃなくて本当にそういうところあるみたいだよ。
確か、あの時は『君は僕が永久保存するけど・・・』と
悍しいことを言っていたが、頭の可笑しい人が居るんだと
悟ったので驚くことでもっ」
「日和ちゃん」
「あ、あのね、でもね!」
よ、余計なこと喋るんじゃなかった。
可笑しいことじゃないよってことを証明するつもりが、
なんてこと言っちまったんだ。
「ナル君は、きっと無事でいるさ!」
みんなが不安がるようなこと言って何してんだ。
「日和ちゃん、ナルのことも心配だけど日和ちゃんが
一番心配なんだけどな。」
「な、何で!?」
馨君は苦笑いを浮かべる。京君が盛大にため息を吐いた。
「・・・・ひよこ、鈍感」
きょ、京君っ!?
ど、鈍感ってどういう意味だ!
「あたし、全然心配要らないと思うんだよね。
ちんちくりんだし、寧ろあたしをコレクターしよう
とする人は相当目が悪いんじゃないかと思う。」
それか、どっかで頭をぶつけてしまったに違いない。
瞬間に鈍感なんてもんじゃねえなと慶詩がため息吐いた。
「だから、あたしの勘は人の三倍は優れてるはずだ!!」
みんなしてあたしの勘の鋭さを妬んでいるとは!!
優れた人間には辛い世の中になったもんだわ。
もう誰も言葉を発さなくてあたしが目撃した
ところへ移動し始めた。
な、何かが可笑しいな。あたしへの対応の雑さが伺える。
一応、ここでは一輪の花のような存在のはずなのに
存在を否定されてる気がする!?
花じゃなくて雑草なのかもしれない。
そこらへんに生えてる根強い雑草だと思われてる。
「んで、ここか?」
ようやく、話を振られて雑草の種類を頭に思い浮かべていた
あたしは急いで現実に舞い戻った。

