Hurly-Burly 5 【完】


まだ、行動に移さなかっただけ偉いって褒め称えて欲しい。

勝手に消えなかったんだからよくやったと思われたっていいと思う。

「1人で行こうと思ったんだね?」

ひっい!馨君がブラックスマイルを浮かべる。

「や、ヤダな・・・ほ、ほんの少し見てくるだけでも

いいかな・・・・とは思ってませんからね。」

「思ったんだろ。」

け、慶詩の馬鹿もん!そんなこと思ってないって言ったでしょ。

「何さ、割り込んでいい話じゃないって思ったから

黙ってたのに、我慢してどうしようって考えてたのに・・・」

あたし、馬鹿じゃないから分かる。

今、あたしがそんな身勝手なことをしたらもっと

困るんじゃないかって思ったから駆け出したい体を

必死に押さえつけて我慢した。

「考え込むな、お前はただでさえ考えてることが分からねぇ。

口に出さなきゃお前の考えてること分かってやれねえだろ?」

「それ、そっくりそのまま返したいんですが。」

ちぃ君がムッとしたのを見てあたしも負けじとムッとした。

「日和ちゃん、ごめんね話し聞いてあげられなくて?」

「ううん、本当はね・・・拗ねてただけだから。」

馨君がふわっと笑うと「知ってる」と口走った。

「えええっ!?」

「話を聞こうと思えば出来たことなんだけどさ、

そんなことだとは思ってなかったし、日和ちゃんから

言ってくれるの待ってるつもりだったんだよね。」

「・・・・・馨君、サディスティックだ!」

「今、何か言った?」

最早、馨君に勝てる自信がない。

ブラック王子ならぬブラックKING馨君は

一枚も二枚も上手だったっぽい。

あたしとしたことが想定するべきだった。

一度、妄想しとくべきだった。

馨君の温厚な仮面に騙されるところだった。

「日和ちゃん、いつもなら話に入ってきそうだし、

ずっと考え事してるみたいだから様子見ようかって

ことで誰も気づいてないフリしてたんだよ。」

「ひ、ひどっ!みんなして、グルだったのか!

そんな、あたしを陥れてやろうって魂胆だったんだな。」

※ネガティブになるとドツボにハマるタイプです。

み、見損なったぞ!

何も知らないでずっとどうしようって考えてたあたしの

苦悩を・・・・・どうしてくれんだ!!