Hurly-Burly 5 【完】


夜の街は昼間とは正反対な人ばかりだ。

チンピラが居ると思ったらドレスを身に纏った

小粋なお姉さん、会社帰りのサラリーマンの集団。

その中でも、金持ちってのは居るものだ。

通りすがる中に見知った会社の社長がどれぐらい通った?

嫌でも顔を知ってるわけだから何とも言えない。

あたしの顔なんてまだ誰も知らないだろうけど、

向こう側に行くのは時間の問題。

もう一ヶ月もしたらあたしだって向こう側の人間に・・・

んんっ、今変な人通ったよね?

麻袋みたいなのを2人係ぐらいで運んでた如何にも

怪しそうな人が角を曲がった。

今のを怪しくないとは誰も思わない。

でも、勝手な行動したら絶対にちぃ君が魔神に変化する。

あの場所を覚えて後で行けばいい。

と思ってたのも、束の間移動を始めるみんなに

置いてかれないように着いて行く。

今のを言いたいところだけど、何か真剣にまだ

話をしてる様子からして口出せない。

「日和ちゃん、大丈夫?人多いから無理しないで。

気分悪くなったら休んだりも出来るから。」

「ううん、大丈夫だよ。」

馨君はどこまで優しいんだよ!

今は、ナル君を捜索するので忙しいって言うのに

あたしのことまで気にかけてくれるなんて。

歩いていくと段々人気が居ないような路地に

入り込んでいて閑散とした空間が広がる。

たまに、怒声のような声が聞こえてギョッとする。

「日和ちゃん、怖い?」

馨君がふんわりと優しい笑みを浮かべる。

「だ、大丈夫!な、慣れてないから・・ビックリしただけだ。」

何から何までもがあたしの知らない世界。

「そっか、あんまり大きい声だったしビックリしたね。」

馨君が笑みを崩さずに言うから怖くないと思った。

空き瓶が転がる建物と建物の間を入っていくと、

暗黒が広がる闇の世界に影を落とすように

潜んでいる人影に緊張が走る。

「よっ、ひよちゃん見つかったか。良かったじゃねーの。

とりあえず、一安心ってとこじゃねーの。」

しゃがんで煙草を吸ってる伊織君は夜のせいか

フェロモンが通常の2.5倍増しになってた。