「話は纏まったか?こっちでも調べといてやる。
この街は俺の管轄内のことだからな。」
いつまで居座る気でいるんだろうと思った男が、
徐に立ち上がると手を上げて暗黒に広がる路地
に姿を消してより一層不気味に思った。
繁華街は遅くなるに連れて賑やかになっていく。
時折、補導されるんじゃないかなって思うけど、
あたし以外は何の心配もないのかもしれない。
みんな、大人っぽく見えるわけだし。
「へ、変装グッズを装着せねば!」
「だから、何でそんなの持ってんだよ。」
ユウヤに白けた視線を送られるも眼鏡と
念のためマスクにコートのフードを被った。
「変質者だな。」
「ひ、ひどっ!」
ち、ちぃ君、何気にサラッと言った。
傷つくようなことを何の変哲もなく投下してきた。
―――――繁華街の合間を縫って煌びやかな夜の街を
捜査する刑事ドラマではお馴染みのシュチュエーション
がやってきたわけだがケータイが鳴り止まないようだ。
あたし以外は対応に追われている。
「ありゃ、京君っ!」
たくさんの人が居ても分かる存在感。
サラサラの灰色の髪が夜の街に靡く。
「・・・・ひよこ、見つかったのか?」
「ご、ごめんね、京君までにお手間をおかけしたようで。」
ペコリとお辞儀をするとフッと京君が笑った。
「いい、無事だったなら気にしない。」
きょ、京様、イケメン!!
今のフッてのがポイントなんでっせ。
フード被ったマスク装着して眼鏡してるあたしを
よく認識出来たもんだよ京君。
「ナルのことは聞いたか?」
「はい、もちろん。あたしもお供させて頂くことになりました。」
「・・・・そうか」
ふと京君が電話対応していたちぃ君に視線を送った。
それを合図するかのように全員がケータイを切って、
何やら秘密の会合を開催する雰囲気を漂わせた。
その緊張した面持ちにヒヤヒヤしながらも、
あたしが聞いても大して分かるような話でも
なさそうだったから周りの空気を察して人間観察をしていた。

