もしも、ナル君が嫌な目にでも遭ったらあたし
その嫌なことした奴に正義の鉄槌を下してやる!
「路地で別れた時に京と伊織が居たところまでは
一緒だったんだよ。抜け道多かったし、そこらへん
店が入り組んでて気がついたら居なくて探してた。」
「そうか、美男とかに連絡はしたか?」
落ち着いているけど、ちぃ君が少しだけ眉間に
シワを寄せて居るのを見ていた。
「全員に連絡行ってるはずだ。けど、まだ見つかんねえって」
「探しに行くぞ。大丈夫だ、ナルは強えからな。」
ユウヤに発する言葉が優しいものでちぃ君を凝視した。
「何だよ?」
ちぃ君があたしの凝視に不思議そうな顔をした。
「(心配じゃないの?)」
喋るなって言われたから口パクにした。
「何言ってるか分からねえ?」
「!!」
慶詩にギロっと視線を向けると頭を掻きながら、
「仕方ねぇな、喋ってよし。」
「心配じゃないのか!?」
開口一口に捲し立てるかのように聞いた。
あたしはすごい心配だ。
ナル君に何かあったら絶対に嫌だ。
「誰だって心配してる。」
そっか、あたしだけがパニックで冷静さ失いかけてた
けど、ナル君と長い間一緒に居たみんなの方が心配
しないわけないのに余計なこと言った。
そう言われた瞬間体が勝手に動いて駆け出そうとした。
「だから、テメェは話聞いてたか?」
慶詩め!邪魔するんじゃないよ。
でも、今までのあたしの勝手な行動とか
それで心配する気持ちがどんなものかを思い知った。
「ジッとしてられるわけがないじゃないか!」
だって、ナル君はあたしを探すために来たんでしょ?
ナル君に何かあったらあたし出家する!
「日和ちゃん、多分分かってないと思うけど、
ナルはああ見えて幹部だから腕っ節は強いんだよ。」
「で、でもっ!」
あたしは心に誓ったはずなんだ。
信じるって言葉に嘘偽りなんてない。
だったら、その言葉を本物にするしかない。
気合を入れるためにもほっぺをべちべち殴った。

