ユウヤが残念そうにあたしに視線を向ける。
「あ、憐れむな!あたしに対して失礼だろうが!」
ショックで寝込むぞ!
ハートさんがシクシク泣いて悲しんでるよ。
『日和ちゃん、あたし悲しいの。』
「ど、どうしたんだね?」
『あたし、日和ちゃんのハート辞めるね。』
「えええっ!?」
『もう耐えられそうにないの。』
※いきなりですが、妄想に飛びました。
「急すぎやしませんか?」
『ううん、ずっと前から考えてたのよ。』
「そ、そんな、ハートさんもう少し共に頑張ろうではないか!」
『あたしそんなに丈夫じゃないのよ。
あたしの後任にはもう少し図太い人がいいと思うわ。』
「や、その変わりなんて居ないよ!!」
『ごめんなさい、あたしのことは忘れて?』
「待ってえええっ―――――!!」
バコっと後頭部に打撃を受けて現実に舞い戻った。
「オメェな、場所を考えろ!」
「・・・・最もでございます。」
「周り見てみろよ。すげー変な子だと思われてんぞ?
すげー変な子だけどよ、俺らまで変だと思われんだろうが。」
またしても、妄想を繰り広げてしまったようだ。
あたしとしたことが人様に多大なる迷惑を掛けた。
「オラっ、世間の皆様に反省の態度を見せろ!」
「す、すみませんでした。この度は、私の方の
不始末でこのような事態になりまして何とお詫びを
申し上げれば良いのかも思いつきませぬ・・・」
何故か、謝罪会見をさせられた。
意味が分からなかったけど一応謝った。
あたしが100%の確率で悪い気がした。
「いいもん見させてもらったわ。今度は俺の店連れてこいよ。
飯ぐれーなら奢ってやるからよ。」
「あなた、まだ居たんですか?」
相変わらず、あたしの周りはドタバタ騒がしいようです。
それでも、こうやって迎えに来てくれたことは感謝しようと
密かに思ったりもした。
どうやら、兄ちゃんは相当大げさだったらしい。
本気であたしが家出をしたとか思ったに違いない。
だから、帰ったらしこたま怒ろうと思う。

