伊織君に地面に下ろされると満面の笑みで、

駆け寄ってきたから嬉しすぎて天にも登る気持ちだった。

手を広げて待ち構えると飛びついてきた。

「きゃー、今なら天国に召喚されてもいい!!」

「ひよちゃん、可愛いの!」

ドキドキドキンコさんだよ。

「日和ちゃん、子ども好きなんだね?」

「大好きだよ。お名前はなんて言うんですか?」

馨君の問に即答した。

抱っこするときゃっきゃっする女の子。

「心だよ。ココちゃんって呼んでね!」

「か、畏まりました。」

「ひよちゃん、いい匂いがするの!」

な、なんて可愛くて可愛くてしょうがないんだ。

「そ、そうですか?何か匂うかしら?」

く、臭くなくて良かった。

ちぃ君がポンポンとココちゃんの頭を撫でると、

嬉しそうに笑うココちゃんはまさに天使だった。

玄関に入っていくみんなの後を追うように、

ココちゃんを抱っこしたままお邪魔した。

降りたいかなとも思ったし、伊織君の元に

帰りたいのかなと思って尋ねるとココちゃんは、

「ひよちゃんに抱っこされてたいの!」

悶絶寸前のお言葉を頂いた。

玄関も広くて靴がたくさん並んでいた。

オドオドしながらもココちゃんの笑顔に

癒されながら緊張も和らいだ。

「お帰りなさいませ、若っ!」

ズラッと並んだスーツ姿の人達にギョッとしながら、

ココちゃんはニコニコ笑ってた。

ちぃ君が靴を脱いで家に上がろうとして段差に

コケた瞬間オジサンたちが豪快に笑った。

ちぃ君は痛かったのかシュンとしてる。

「il||li( ;;´・д`)」

ち、ちぃ君ドジっ子を発揮した。

その様子を見ながらもみんながどんどん上がっていく

のを見つめてたら出遅れた。

すごい視線を向けられてひっい!と悲鳴をあげると、

ココちゃんが大丈夫だよって小さなお手々で頭を

ポンポンと撫でられて緊張が緩まってすぐに、

お邪魔しますと声を掛けて90度に腰を曲げてお辞儀した。