庭を歩いてすぐに玄関をガラガラ開けると、

小さな女の子が飛び出してきてパッと笑顔で

伊織君に飛びついたことにビックリした。

「い、い、伊織君、まさかその子は・・・

いつ出来た子どもなんだ!!」

伊織君の女癖恐るべしだ。

「子どもじゃねぇ~」

伊織君が小さな女の子を抱っこするとギュッと

首に手を回して満面の笑みを浮かべる女の子に

キュンとなって微笑ましくなった。

「か、可愛いっ」

つい声に出てて小さな女の子と目があった。

「お姉ちゃん、おにいの・・・・?」

小さくてお目々がクリクリして可愛いとは

思わずに居られなかった。

「伊織君、貴様罪な男だな!」

こんな可愛い娘が居るとは聞いてなかったぞ!

「だから、子どもじゃねぇ~っての。」

「な、なんて酷い父親なんだ!

こんなに可愛い子を産ませておいて人情はないのか!!」

「俺はそんな馬鹿じゃねぇ~のよ」

「馬鹿って貴様冷酷な人間だったんだな!」

見損なったぞ!こんなにも可愛らしい娘を前に

酷いではないか!!

「日和ちゃん、伊織の妹だよ。」

馨君が困った顔で笑うと伊織君と小さな子が

ねっと見つめ合って仲良しをアピールした。

「こ、こ、こんな可愛い妹が居たのか!!」

にっこりと嬉しそうに笑う女の子が、

「おにいの彼女?」

ませたことを口走って首を全力で横に振った。

「いいえ、そんな滅相もございませんよ。

お兄さんとは健全なお友達という関係です。」

あたしが小さい頃はこんなこと言わなかったな。

思いつきもしなかっただろうさ。

「心、ひよちゃんに挨拶しときなさい。」

伊織君の妹に見えないぐらい可愛い。

「うん!ひよちゃん、いらっしゃい。」

可愛さにノックアウトだった。

みんなが和やかなのを見るとこの子すごいと思った。