サユの言葉に激しくショックを受けたあたしは
サユに引きずられながら帰った。
その日の夜は永瀬家で夕飯を兄妹共々ご馳走になり、
学年末対策をサユの部屋にて開催した。
マコ君と田中も学年末だけにヤバイと連呼していた。
修平君は焦ることなくいつもどおりのペースで、
静かに問題を解いている姿勢を見ると余裕なんではないかと思う。
兄ちゃんが顔を出してどれどれなんて教科書を覗いていた。
ただ、答えを答える兄ちゃんは教え方が下手くそである。
田中なんて途中のやり方分からなくて意味不明な顔を
しているというのに、兄ちゃんは笑ってた。
頭良すぎて分からない人の気持ちを分かってないんだろう。
兄ちゃんに任せておけないと思って、兄ちゃんには、
パーティー会場で使えるマジックショーっていう
本を貸してやった。
これは、この前修平君に貸して面白かったと賛美を
貰った本でかなり気に入ってるものである。
「日和ちゃんはやらなくていいのかな?」
マコ君は心配そうに聞いてきた。
「いえ、問題作りが最早あたしにとっての試験勉強。」
「いいのよ、この子はやるなと言いたいわ!」
サユはノートを広げて歴史の人物を覚えてる最中だった。
「さ、さーちゃん?」
「日和はやらなくたって満点取れちゃうわよ。」
そう言われると、照れるのですが。
「ひーちゃんは天才だからね~」
兄ちゃんが良い子でしょって頭を撫で回してくる。
「きっい!」
ボサボサにしないでくれよ!!
兄ちゃんに絶対零度視線を向けるとひーちゃんっと
すがりつかれた。
「「確かに・・・・・」」
マコ君と田中がシンクロして吐き出すため息。
そんなに褒められると小躍りしたくなっちゃうよ。
それにしても、やることが多いな。
お兄ちゃんに勧められた教授の出した本を読んで、
レポートを出して欲しいと言われた実験の結果も
ロサンゼルスに送らないと待たせてしまってるし、
少しデータの整理もしたいと思っていたところだ。
結局、その日はサユに付き合っていた。
マコ君と田中は修平君の部屋で猛勉強という
ことで2人とも修平君と何気仲が良いらしい。

