そろそろ、学年末が迫る時期に差し掛かった。

あたしにとっては大した峠でもないわけだが、

周りはどこも必死だった。

まず、教室が信者のように御札を額に貼り付けた

生徒を数名見た時は何かに取り憑かれてるのでは

と思ってしまった。

そして、何を血迷ったのか教室の男子から全員

に土下座されてノートを見せて下さいと頼まれた

時は食べかけの煎餅を床に落下させた。

「日和、神様化されてるじゃない?」

「普段からやることやっとけばこんなふうには

ならなかったと思うのだが・・・・」

ペラっと読み始めた洋書のページを捲った。

学年末の範囲ははっきり言って広い。

今まで習ってきたものを総まとめで問題が出題

されるらしいため先生たちも捻り出してくるに違いない。

「ヒヨリン、分かんねえーよ!助けてくれよ!

俺は一生一年生になっちまう気がして・・・」

よっちゃんが泣きついてくるのは最早恒例になってきてる。

「何、弱気になってんだ!やれば出来るんだから

諦めるのはまだ早いわ。ほら、どこが分からんのだ?」

放課後はこうやってまたしても不良メンバーズと、

「ひよっち、無理っ!ウチにはこんな問題解けっこないよ!!」

クルミちゃんと彩乃ちゃんがサユと一緒に隅っこでお勉強中。

とにかく、あたしは非常に心配である。

よっちゃんとクルミちゃんが進級出来るか

これに掛かっているのである。

後のメンバーは心配ないにしても2人には

何とかしてテストをクリアしてもらわないと!!

予想を組み立てた問題集を作成して不良メンバーズと

クルミちゃんたちに配る。

あくまで、これは予測される問題だからというのを

注意事項に対策を練った。

「むしろ、ヒヨリン勉強してんのか?」

「いや、してない。学年末に至っては問題集を

作るだけでとくに心配もしてない。」

問題作るだけで勉強になってしまうのだよ。

ユウヤもテーブルで紙と向き合ってる。

「ヒヨリン!俺、出来た!褒めて褒めて!」

ナル君がプリントを持って駆けつけて来た。

ほっぺが黒くなってるナル君のふわふわの髪を

撫でながらプリントの答えが合ってるか瞬時に判断した。