どうも、いつもの集団ってわけではなさそうだ。

1人で何してるんだろうか?

こんなことは珍しいような気がする。

そもそも、毎日一緒というわけでもないようではあった。

最近はとくに何の変わりもない日常が続いて、

ある意味静か過ぎるような気さえする。

これを嵐の前の静けさなんて世間は呼ぶんだろうか?

ダークブラウンの髪に煙草を咥えて歩く姿は、

フェロモンダダ漏れで周りの女子がほっとかない。

「・・・いっ、いお」

伊織君が1人で歩いているから声を掛けてやろうか

なんて思ってたら声を止めた。

いや、分かってはいたから驚く気にはならない。

ただ、声が掛けづらくてそのまま通過するのを

見ることもなく電気屋さんに向かおうと歩き始めた。

絶対に、話しかけるタイミングじゃない。

むしろ、あの隣の女の人に刺殺されるっ!?

伊織君はフラフラ歩いているようだけど、

あの隣に居た女の人ギラギラした目で

周りの女子を払い除けてた!

必殺眼力ビームを飛ばして炸裂させてた。

か、関わっちゃいけねえーよ。

あたしは何も見なかったことにしようと

瞬時に切り替えて電気屋さんへと足を進めた。

あ、あれを世間にいうイチャイチャ的なものですけえ!?

あたしには程遠い世界にイマイチ分からん。

少し気になって2秒ほど振り返った。

早業を取得したような気がする。

綺麗な人でサユには劣るけど、足は長くて

スタイルは良くて美男美女モデルか何か

なのかもしれないと妄想をし始めると止まらなかった。

も、モデルと熱愛だよっ!?

伊織君も罪に置けない男だな!

そういえば、伊織君は女の子にだらしなかった。

すっかり、忘れそうになってたよ。

足が縺れそうになって妄想を一時中断した。

伊織君は恋に生きる男なんだろうか?

全然、恋してそうに見えないけどさ、

伊織君は恋をしているのかな?