こういう時って女の子を潰さないように
するのが男の勤めだろうがと思ったものの、
文句言わずに耐え抜いた。
何故なら、あたしの近くに居たのは自己中
横暴な金髪ライオンが立ちはばかっていた。
「図体が大きいのよ!あたしが潰れて
ぺしゃんこになったらどうしてくれるっ!?」
エレベーターを降りてすぐに文句を言ってやった。
「ちっちぇーんだから場所取らねえだろうが。」
「な、何だと!?」
人を荷物みたいな言い方して。
何だと思ってるんだ?
「態度がデカイから場所を無駄に取るんだ!
人様に迷惑掛かることを自覚しておくんだな!」
「テメェが言うなや。」
バシっと後頭部を叩かれた。
ツッコミが暴力的だから勘違いされるんだ。
慶詩め、少しは自重しやがれ。
ガチャっと鍵を開ける京君。
開いたドアをすぐに通ったちぃ君に続く
ようにゾロゾロっと入っていく。
あたしもそれに便乗するように玄関にある
脱ぎ捨てられた靴を最後に整理してお邪魔させて貰った。
「日和ちゃん、スリッパ出しておくよ。」
馨君が床にスリッパを出してくれて、
それに足を通してパタパタと馨君の
後を追うように何度目かのお邪魔をさせてもらった。
廊下を歩いて行き、リビングのドアを開けると
相変わらず綺麗な部屋に各自好き勝手にやってる。
ちぃ君は既にソファーに腰掛けて、京君は
ユウヤに引っ張られている。
慶詩とナル君と伊織君で何やらテレビ前で騒いでる。
「ターヤンとやっちゃん寝てるかな?」
馨君がソファーの方に案内してくれた。
やっぱり、ジェントル馨君だ!!
こんな夕方の時間に寝てることに
驚きを隠せずに居るとガチャリと
リビングの扉が開いた。
そこに立った2人の姿にギョッとした。
いかにものスーツ姿に目ん玉が床に
転がり落ちるんじゃないかと思った。

