Hurly-Burly 5 【完】


時々、あたしは気づかないところで甘やかされてる

気がするのは気のせいですか?

「し、仕方あるまいな!あたしが先陣に立ってやろうではないか。」

「まだ、こっちのがいい・・・・」

京君のホッとしたようなため息には全く

気づくことが出来なかった。

「ところでさ、やっちゃんさんとターヤンさん

マンションに居るのかね?」

学校を出てマンションに向かうように

道を歩いていると不自然なことに気がついた。

だって、やっちゃんさんもターヤンさんもヤクザだ。

そもそも、家に帰ってるのか疑問に思う。

「居るよ。日和ちゃん来るの楽しみにいてたから。」

馨君がにっこりと微笑んだ。

「そ、それって時間作ってもらってるのかね?」

ただでさえ、忙しそうなのに申し訳なさすぎる。

「やっちゃんもターヤンも娘から貰う気分だって

言ってたぞ?」

「わ、若すぎやしないか!?」

さすがに、やっちゃんさんやターヤンさんがお父さん

って若すぎるだろうよ。

「どーだかな。」

伊織君がヘラヘラ笑う中ドキドキ緊張してきた。

「お口に合うだろうか?」

「そこは自信持てよ。」

慶詩がすかさずツッコミを入れてきた。

「でもさ、やっちゃんさんとかターヤンさんとか

だったら他にもっと高級なチョコレートとか貰って

そうだと思うんだよね。」

こんな手作り満載なものを献上するのは間違ってたか?

絶対に、モテそうな2人のことだ。

大人の女性からもらってるに違いない。

「お前の作るもんはそんなもんには負けねえよ。」

またしても、ちぃ君ターンきやがった!

「打倒、高級チョコね!!」

絶対に負けられない戦いがある。

「日和ちゃん、そんなこと心配しなくても

あの2人日和ちゃんが泥団子作っても貰うと思う。」

馨君の言葉には既に耳は届いていなかった。