Hurly-Burly 5 【完】


こんなに大勢で帰ることは滅多にない。

それだけに注目を浴びるのは目に見えてた。

「あ、アイドルか何かなのかね!?」

最早、どっかの芸能人なんじゃないかとさえ思う。

それほどに顔は整った連中だ。

知らない制服を着た女の子まで来てる。

も、もしや、本来の姿は公開してないアイドルとか

だったらあたしの存在はパパラッチ!?

「日和ちゃん、・・・・・何してるの?」

馨君の言葉にみんなから一斉の白い目を向けられた。

「ぱ、パパラッチが激写・・・どこから狙ってるか

分からないわ!!」

木陰から狙ってるんじゃないか!?

あの校門からバシャッとカメラ撮影されるのではないか!?

とにかく、そんな報道になったら困るわ!

「ヒヨリン、普通に帰らせてくれよ・・・・」

ユウヤが呆れ顔でキョロキョロと少し離れて

行動するあたしを見てそれから笑いが込み上げて

来たのか口を押さえていた。

「少し、先行ってて!後ろを追うので、

あたしのことは気にせ」

言い掛けた言葉が遮られた。

「お前に後ろ歩かれると何か問題起こすだろうが。」

漆黒の瞳に追い詰められるような気がした。

グイっと引っ張られて自然と前に出る。

「なっ!!パパラッチに見つかる!!は、放せ・・放して!」

て、手首を折る気なのかしら!?

握力を鍛えてるんだと思うわ。

「黙っとけ。」

「な、何だと!?」

ち、ちぃ君は駄々っ子なのか!?

「変な子だと思われんだろーが。」

「・・・・・・・・・・・・・」

な、何も反論出来ない!

あたし、変な子だと思われてる!?

「日和ちゃん、気を落とさないで。

千治が言いたいのは・・・」

馨君が説明してくれようとしているっていうのに、

「後で付き合ってやるからさっさと帰んぞ?」

な、なんてマイペース極まりない。

その癖、あたしの妄想に付き合ってくれるんだ?