家庭科室にあった荷台を借りてきて大量に作った

ケーキを部屋に持ってきては見たものの。

「あっ、お皿とフォーク忘れた!」

肝心なものを全て忘れてきちまった。

「日和ちゃん、心配しなくてもあるよ。」

「ここ、物が揃い過ぎてない?」

馨君がにっこりとティーカップにお茶を注いでた。

「女神、貰いにきたよ!」

「は、はい?」

何故か、上條さんと中塚さんと射場さんたち

までも居るのだが!!

「ひーちゃん、貰ってくね。」

「多めに作ってんじゃん。もらーい。」

鬼畜な悪魔までもがあたしの作ったお歳暮を!!

「なっ!!食べたらホワイトデー倍返しだ!!」

な、なんてことなの!?

待機されていたことにちっとも気づかなかった。

「おうおう。誕生日プレゼントついでに買ってやるよ。」

そう言いながらケーキを片手にすでに部屋から出ていこうと

する2人の教師は何のためにやって来たのか?

「日和ちゃん、ホワイトデー何がいいか考えといてね?」

「えっ?要らない!」

馨君からティーカップを渡された。

もうすでにケーキ争奪戦が後ろでは始まっていた。

「お前、物欲ねぇーよな。」

慶詩が欠伸をしながら雑誌を閉じる。

「それより、何かこう意見とかない?

ここをこうしたらいいとかあったら是非とも聞きたい!」

ケーキ入刀をすると包丁にチョコレートクリームが付いた。

「あ、こっちはナル君とちぃ君用ね。」

ケーキを切ってお皿に乗せて2人に差し出す。

「日和ちゃん、相変わらず大変だったんじゃない?」

「そんなことないよ!お歳暮だもん。」

「お歳暮って・・・・・」

中塚さんがクックとお腹を抱える。

この人、笑い上戸なんじゃないか?

どこがそんなに面白いのかしら?

ビターチョコをメインに甘くないケーキも

作っておいて良かった

さすがに、ナル君とちぃ君用は甘すぎた。