――――――奮闘すること放課後。
クルミちゃんもサユも見てないところで、
とんでもないことするから彩乃ちゃんに見張らして
即刻作り始めてからはいつもの癖で集中してしまった。
「すごっ!」
「立花さん、これ店で買ってきたみた~い。」
「むしろ、あたしが貰いたい!!」
下準備もしていたこともあって人数分作れたはず。
今は、サユもクルミちゃんもラッピングに集中してる。
本当に1日家庭科の授業で一年分の家庭科を使い切った
ような気分さえしてしまう。
「日和ちゃんってお菓子作るの得意だよね。」
「好きなだけだよ。」
残ったチョコレートのクリームを味見すると、
甘ったるさに苦渋な顔をした。
「でも、食べてくれる人居ないとこうは上手くならないよ。」
そりゃ、毎日ってわけでもないけどたまに作ると
食べてくれる人が身近に居る。
文句なんて一つも言われたことはない。
何を作ってもいつの間にお皿が空になってる。
それが嬉しくて作り過ぎてしまう。
それでも、残ったことなんて一度もない。
どんなに作りすぎても全部食べてくれる。
「日和、ラッピングしないの?」
「このまま持ってちゃうよ!」
大量に作ったケーキの行方はいつも通り。
放課後の今は決戦に向けて女の子たちが
まばらになったこともあってさっきよりも静か。
廊下にはどこか甘い匂いが漂う。
この辺は家庭科室近いからかもしれない。
不良メンバーズに日頃遊んでくれる感謝を込めて、
廊下を甘い匂い漂わせて歩いた。
「お待たせ!!」
扉が開っきぱなしのいつもの部屋。
顔をひょっこり出すと期待に目を輝かした
不良メンバーズがわんさかと波のように押し寄せて来た。
「うおおおおお」
とにかく、ボスのせいか男の癖に甘いものに抵抗
ない子が多いようです。
若干、ケーキがビビってるような気がする。

