ナル君の頭をポンポンと撫でた。
「あたしが作ったなんて一言も言ってないじゃない?
実は、これを食べたらどうなるのか調査を任されていたのよ。
誰も被験者になってくれる人が居なくて助かったわ。」
「オメエ・・・それ、謝礼金じゃねえじゃんか。」
慶詩がやべーと言いながら吹き出してた。
「上條さん、すいません。こうでもしないと誰も
引き受けてくれないと思ったのでお口直しにキャンディー
あげますのでご勘弁を!」
「いや、女神のためだったらどんなことでもやってみせるさ!」
「は、はい?」
何だかよくわからないが彼は怒ってないようだ。
「悪いものでも食べさせてしまったかしら?」
とにかく、異常なほど強い人で良かった。
「「(日和ちゃん、鈍いな。)」」
※田中とマコ君が日和を優しく見守ってます。
「ところで、立花さんは本命なんて居ないんですか?」
眼鏡インテリジェンスな中塚さん!?
「中塚、よくぞ聞いたぞ!」
上條さんがグーしてるのを見て中塚さんはシカトした。
「ひよこちゃんぐらい可愛かったら本命のヤツが
ほっとかないよー。」
射場さん、突然出てきてビックリしましたΣ(゚д゚lll)
「居ません。今回のバレンタインは言わばお歳暮です。
日頃の感謝を込めたものであり、そのような思い入れ
をするものは作りません。」
「そ、即答なんだね?」
上條さんがちぇっと言うのを見た。
「そういうの作ったことないんですか?」
攻め入った質問をわざとしているのだったら、
中塚さんが一番手ごわい相手になりそうだわ。
「へ?」
シラッと中塚さんに返すと眼鏡の奥にある
瞳と目があった。
「本命というのはつまり恋する乙女が意中の
相手に献上する品のことですか!?」
「け、献上?」
中塚さんが顔を引きつらせながら頷いた。
「生憎、そのような感情を知らない未熟者な
分際ですので、残念ながらありません。」
四季さんには毎年あげていた。
それが本命なのか分からないけど、とにかく
とびっきり美味しいの作ろうって奮闘したんだっけ?

