ようやく、やってきた本拠地へ突入すると絶句だった。

「な、何このチョコレートの山は!!」

山済みになったチョコレートの山に目が点に

なったのは言うまでもない。

「だから、ここ来れば大丈夫だったでしょ?」

「いや、まさか、買い占めていた犯人がこんな

身近な人物だったとはやられたわ!」

馨君、今とても上條さんを憐れむよ。

「何だ、女神が一緒だったとは僕に会いに来てく」

「そのチョコの山を頂くために来ました。」

しかし、モテない男はつらいな。

顔は悪くないのに主に性格が不憫だわ。

※日和は上條さんに同情の眼差しを送ってます。

「チョコレート欲しいのかい?」

「バレンタインのために是非とも!

謝礼金にこれで勘弁してくだされ。」

何もただで貰おうなんて小ずるいことは

考えない正統派で行くわ。

鞄から佐藤君にあげた物とは違う包装紙に

入ったカップケーキを取り出した。

「えっ、これ女神が作ったのかい?」

いや、これはあたしではない。

この見た目は何の変哲もない感じ。

「チョコレート好きなだけ持っていくといい。」

「大量確保だ!みんな、袋に詰めるよ!!」

各自に袋を渡してチョコレートを詰めさせた。

「ヒヨリン、あれ・・・」

ナル君がちょっとしょんぼりしている。

「ナル君、どうかした?」

気分でも悪くなったのかしら?

「げっ!!何だこれは・・・ゲホゲホ」

はっは!すごいぞ、クルミちゃん。

これは殺人カップケーキになりそうだ。

「か、辛えー!!」

火を吹きそうな上條さんに中塚さんが

冷静にペットボトルの水を用意した。

「どうやら、実験は成功のようだ。」

これはレポート作成しておくべきね。

「ヒヨリン、あれってヒヨリンが作った

ヤツじゃないの?」

ナル君が潤んだ瞳で上目遣いという究極な

可愛さで挑んできている!?