どこまであたしの邪魔をすれば気が済むのかしら!
「お前も食うか?」
「ち、違っくないけど食べるけど・・・!」
ピザをチラつかされては勝算がない。
「日和ちゃん、チョコレートいいの?」
「ハッ!!」
こ、この!!ちぃ君のペースに飲み込まれるところだった。
ギロっとちぃ君へ視線を向けると京君とどっちがいいか
と呑気にピザを選んでいて危うく振り回されるところだったに
違いないことに若干反省してみた。
そこに何故か野菜売り場を通るとカカオがあった。
「か、カカオから作ってみるかね!」
やったことないけどさ、チョコレートの源が
カカオなら作れないことはないでしょう!
「・・・・・・無理あるだろ。」
ユウヤがカカオを元に戻した。
「だ、だって、チョコレートないんだよ?」
「多分、持ってるヤツ居るよ。」
馨君が穏やかに笑うのを見て、慶詩が確かに
と小声で呟いた。
「それ、早く言ってくれればこんなこと
しなくて済んだのに・・・」
「ただ、面倒なだけだよ。」
馨君が一瞬真顔だったような気がして、
二度見するとすでにもう穏やかな笑みを浮かべてた。
「面倒なことって?」
「行けば分かるよ。納得すると思うから。」
馨君、そう言われると何だか重みを感じるわ。
スーパーを出て少し歩いて着いた場所に
素通りしようかと思った。
「ここって!!」
「もう分かった?」
馨君、あたしは激しくこの場に留まりたくない!
校門には学ランを来た男子校生がうじゃうじゃ居る。
もしかしなくともここは文化祭でお邪魔したマコ君と
田中の通ってる学校である。
「で、でも、ここ来ちゃいけないんじゃなかったの!?」
マコ君と田中にアポなしで来ちゃったよ!!
しかも、男子校生しか居ないところに居たら
問題になりかねないじゃないさ。

