絶対にからかいが半分入ってる。

だって、伊織君笑いを必死に隠そうとしてるもん。

「ヒヨリン、可愛いー!!」

「な、酷いぞ!7対1の勝負など認めんぞ!」

ナル君まで可愛いとか言う始末でオドオドする。

こ、これは何かの罠だ。

あたしを油断させてからの落下を心待ちにしている

に違いないわ!!

「日和ちゃん・・・・何か話が噛み合ってないよ。」

「うっ!負けないもん!」

※ただの負けず嫌いなだけです。

「日和ちゃん、勝負してないよ。」

「か、馨君まで!!」

※そして、被害妄想しだすと止まらないのです。

「つーか、買いに行かなくていいのかよ。」

慶詩が頭を掻いてリモコンをソファーに

投げ飛ばした。

「行くよ!これから、戦場へと参ります。」

これは、年に1度の猛烈なガールズな戦いなのである。

サユと去年もその戦いを制した。

「戦場って大げさだろ・・・」

「ユウヤ、甘く見ちゃ駄目よ!世の中の女子の

リアルをその目ん玉かっぽじって然と見るのだな。」

ビシッと決めてやったぞ!

もっと、かっこよくポーズ取るべきだったかしら?

「早く行った方がいいんじゃないかな?」

馨君が困ったように笑う。

「うむっ、そうね。こうしてる間に刻一刻と

戦場は悪化してしまうもの。いざ、出陣だ!」

今度は決めポーズをビシッと決めてやったぞ。

ふんっ、どうだ!

「帰りにドーナッツ買おう。」

「ちぃー、俺もちもちのリングのヤツ食べたい!」

「俺はな、俺はな、普通のがいい。」

き、聞いてない!!

あたしのこの無駄な決めポーズはどうしたことか。

今のはビシッと決まったのに。

ち、ちぃ君によって邪魔された!

あの天然、怖いっ。

あたしの活躍シーンをことごとく奪い去っていく。

油断してたらこの物語乗っ取られるに違いない(°д°)