廊下で固まる2人に視線を向けるとよっちゃんが、
手招きをしてニカっと笑ってフレンドリーさを
アピールしたことによって彩乃ちゃんがおずおずと
入ってくるのをクルミちゃんが背中にべったりくっついて
それからすぐ様2人がサユの背中にへばりついた。
よっちゃん、良いやつなんだよね。
あたしもあれに助けられたような気がするもん。
「ど、どうしたの?」
3人とも真剣な眼差しでどうもふざけちゃいけない
パターンらしくて正座してみた。
「日和ちゃん、お菓子作るの得意だったよね?」
「毎回作って持ってきてくれるの楽しみにしてたの!」
「今年も協力しなさいよ!!」
サユの勢いに圧倒させられそうになる。
「な、何のことだ?お菓子作るの?
何か食べたいものがあるなら作って来るよ。」
「「「それじゃ、駄目なの(よ)!!」」」
な、何この一致団結した女の友情は!!
「ひよっち、何惚けてるの!?この時期に
そんな惚けてる余裕なんてないでしょ!!」
く、クルミちゃん、その熱意を勉強に
ぶつけてみてはどうだろうか?
「な、何のこと?」
本当に検討がつかなくて申し訳ない。
「もう!!ひよっち、彼氏居なくても、
好きな人居なくても、女子の大戦争に
巻き込まれるの必須なんだよお?」
「・・・・ガーン」
か、彼氏も好きな人も居なくて悪かったわね。
「・・・・いいよ、あたしは毎年ダディと修平くんに
さえあげれれば十分だもの。」
バレンタインなんって全く興味がなかったよ。
「ひよっち、何言ってるの!2月14日の時間割り見たの?」
ガサガサ鞄の中から時間割りの変更のプリントを見て、
ギョッとして目を疑った。
「・・・・あたし、休む。」
何故、家庭科しかないの!?
この学校、絶対に指導方針間違ってるわ。
しかも、女子と男子が別授業って何の魂胆があるの!?

