“どうしたんですか?”
それが本当の彼女との出会いだなんて言えない
“
け、けっ、怪我をしているではないですか!?”
親身になってくれたことに感謝をする暇もなかった
“痛いの痛いの飛んで行け~ですね!”
血に染まった拳に自分の持ってたハンカチを
何のためらいもなく止血に使った
“お兄さん、元気ないのですか?”
その言葉と一緒にポケットから差し出された
オレンジのキャンディーが決め手だった
もう一度会えたらという願掛けのようなもの
ただ、そんな時から目が離せなかった
【世界はどうも広いようで狭いのだと思う。】

