あたしばっかり知られるのは癪だから、

どうしても何か一つでも知れたらいいのにと思ってた最中だ。

別に言いたくないならそれでもいいよとは言った。

だけど、気にならないとは言ってない!

本当は何も知らないことだらけで分かってないかもしれない。

「ちぃ君はどうしてあの奇抜な色に変更したんでしょうか?」

「ん?どーだろうな?少し前までは黒かったし、

急に変えて俺もビビったからな。でも、千治さん

オレンジの髪の方が似合ってるよな。」

うん、黒くて若かりしちぃ君も素敵なイケメンだけど、

オレンジブラウンの今の髪は何かパッと見てすぐ分かる。

「千治さん、ヒヨリンが質問あるらしいっすよ。」

ももっちがそう言うと、ちぃ君が眠い目を擦りながら

ソファーからムクッと起き上がった。

「何だ?」

こ、こういう時だけ起き上がるんですか!?

うぇっ、な、ももっち余計なお世話だよ。

何て聞けばいいのか分からないし、そんなの

人の勝手だと思うし・・・・み、見つめられてる!

「・・・・あはっ、ももっち何言ってんのかね?

な、何もないのよ。何もね。」

狼狽えるあたしにちぃ君が不思議そうに首を傾げた。

「何、ビビってんだよ。本人に聞くのが一番だろ。

俺らの長年の謎でもあったんだからよう。」

だったら、あたしじゃなくてももっちが聞けよ!!

「確かに、かなりその当時はデッカイ噂になってたよな。」

コソコソ言うももっちによっちゃんも便乗し始めてた。

「・・・そういうのはコソコソしない方が・・・」

ほら、もっくんを見たまえよ。

「つーか、噂ってマジなのかを検証出来る機会なんだよ。

ヒヨリン、俺らのために頑張ってくれよ。」

な、何故にあたしが君たちの当て馬にならなきゃならん?

「う、噂って何?」

コソコソ喋ってるあたしたちにみんなが困惑している。

一番、困惑しているのはちぃ君だと思う。

「前も話したことあったよな?千治さんの元カノの

先生がオレンジ色好きだったからじゃないかってのが

一番有力な話なんだよ。」

よっちゃんの言葉に何故か動揺して写真を床に落としてしまった。