形として残してくれてこうやって振り返れるのは
何だか懐かしさも感じる。
ペラペラとアルバムを捲って3人とあれはああだった
よなとか言いながら思い出話に花を咲かせる。
高校生活が少しでも明るく楽しく青春を謳歌
出来るようにあたしは役に立てただろうか?
この何ヶ月かの間で少しでもあたしは力に
なれたのだろうかとふと思った。
捲ってるとピラっと一枚の写真がアルバムから落ちて
裏返しになって床に落ちた。
不思議に思いながら、その写真を拾って表に返すと
目が点になった。
真ん中にボサッと座る黒くてふわふわしたこの天パの
男の子に見覚えがある。
隣に居る常にスマイルの人も知ってるような気がする。
逆隣にドカッとヤンキー座りをしている金髪にも
見覚えがある。
灰色のサラサラしたこの綺麗な人の知っている。
キャラメルハニーの今よりも幼くて可愛い彼も、
茶髪の髪で大きな口を開けて笑ってる彼も、
フェロモンがこの若さで惜しみなく出ている彼も、
多分あのソファーに座ってる少し前の彼らだ。
「あ、それ、懐かしいな。」
その後ろにもたくさんの人が写ってる。
まるで、集合写真のようで少し羨ましくなった。
「いつ撮ったものなんですか?」
バッと顔を上げて問いかけるとももっちが
いつだったっけなと眉間にシワを寄せて考えた。
「多分、ヒヨリンが入学する少し前かな?」
「えっ!?」
もっと、若かりし時かと思ったがあまり変わってない
人も居るからそれぐらいで納得も出来る。
「もう少し前の写真も確かあったぞ?」
「そうなのか!?」
是非とも、見せて下さい!!
「ああ、俺は千治さんたちの中学の後輩で
そっから世話になってるからな。」
ももっちが、懐かしそうにそう言った。
全然、知らないことだらけだった。

