もっくんのところに駆けてくとホクホクのたこ焼きを

差し出してきた。

「もっくん、君は神様だ!!」

「だから、大げさだって・・・・・」

もっくんが困っているようなのでありがとうとお礼を言った。

「ヒヨリン、いいもん持ってきたぜー!」

ももっちがテレビゲームから外れてもっくんと

よっちゃんの方にやってくる。

「そうなんだよ!ヒヨリン、これ見たら驚くぜ!!」

よっちゃんが、何だか気持ち悪く笑ってる。

たこ焼きに釣られて来てみたものの、

ももっちが何だか怪しげな本を持っている。

「・・・・ももっちが漫画以外の本を持っている!?」

驚きにたこ焼きをうっかり落としそうになった

ところをよっちゃんがナイスキャッチして口に

放り込む様を見つめた。

「んっ?ヒヨリンが落としたのが悪いんだからな?」

いや、よっちゃんなんか男前になったような

気のせいだよね。

ヘタレよっちゃんが男前前線なんてあたしの妄想が

暴走しているに違いないわ。

「よっちゃんはヘタレだ。ヘタレ以外の何者でもない・・」

ボソボソ呟いていると、もっくんがオロオロした。

「ひーちゃん、丸聞こえだよ。」

明らかに凹んだよっちゃんとそれを見て爆笑の

ももっちにもっくんが困惑する図が出来上がっていた。

「あはっ、よっちゃんそこが君の良いところではないか。」

「それ、褒めてないだろ・・・・」

よっちゃんのアフロは今日も盛り上がっている。

「ヒヨリン、それよりこれ見てみ?」

「えっ?」

何、そのさっきから気になってた本はと思いながらも、

ももっちがニマニマ笑うから一応受け取ってみた。

表紙をじっくり見つめて首を傾げた。

【――――中学卒業アルバム】

どこかの中学のアルバムらしきことは分かった。

ももっちの卒業アルバムなのかしらと思ってみたものの、

あたしの通ってた中学とそれほど離れてない。

西地区にある中学の名に不思議になって、

ページを開いて見て驚愕だった。