だが、それが良くなかったようだ。
「イライラがどうも溜まってふざけたことしたのよさ!」
いきなり、家に上がってきたと思ったらソファーに
押し倒されて我慢出来ねぇとか意味不明なことを言ったのだ。
「殴ったけどね。意味分かんないから飛び蹴りもして、
そのまま半日も起き上がってこなかったから相沢
ティーチャーに迎えに来てもらったのよね。」
ともかく、イライラ恐るべし!
「ヒヨリン、よく無事だったな。」
「当たり前だ!意味の分からないことをしようと
した大人には正しく正論を突きつける!」
「いや、そういう意味じゃ・・・・」
ユウヤがごにょごにょ小さく言葉を呟く。
「ふ~ん、じゃあ、俺が教えてやろうか?
天才ちゃんも分からない意味の分らねぇこと。」
艶やかな瞳で色気を増す伊織君の流し目に
ギョッとしながらも慣れとは怖いものである。
「伊織君にあたしが分からない分野が分かるだと!?」
このあたしの頭脳を上回っていると言いたいのか!!
※負けず嫌いなだけなのです。
「そっち方面は得意よ~」
「な、何と!?」
伊織君、そんな特化してた分野があったのか!!
「伊織、日和ちゃんで遊ばない。」
「こういうとこ真面目で可愛いじゃーん。」
馨君のやれやれって表情に伊織君がヘラヘラ笑った。
「ヒヨリンに変なことすんな!!」
ナル君がスプーンを伊織君に突きつける。
ホッとするような可愛さに隣でナル君を見守る。
「変なことってなーに?」
意地の悪さはピカイチなのであります伊織君。
ニマニマしながらナル君を窮地に追いやる
いじめっ子伊織君にナル君が顔を真っ赤にさせる。
「へ、変なことは変なことだ!」
「ナルちゃん、その変なことが分かんないなー?」
この人、筋金入りだと思います。
確信犯のような気もします。
「ナル君をからかうんじゃありません!
大体、皆さんが変なことをするだなんて微塵にも
思ってませんから大丈夫なのです!!」
お友達なのだからそのようなことは起こるはずもないわ!

