伊織君、だから校内で煙草は吸わないで!!
スパッと口から煙を吐き出すフェロモン魔導師
にギョッとして煙草を没収して口にテーブルに
あったちぃ君がもひもひ食べてたクッキーを詰め込んだ。
「げっ、甘っ。」
「煙草は学校では駄目って言ったでしょう!!
吸うなら外でしてきなさい。そして、きちんと
吸殻は拾ってくるのです!!」
「学校内じゃなきゃいいのかよ!?」
ユウヤがお菓子の紙袋をぺっとテーブルに投げた。
「日和ちゃん、てっきり煙草嫌いなんだと思ってたけど?」
「えっ!?馨君、吸っちゃうの?」
馨君は吸わないで居てほしいあたしの夢を壊さないでくれ。
「吸わないよ?」
「よ、良かった!」
馨君の好印象は守られたのであった。
「別に煙草が嫌いなわけじゃないよ。
ほら、身近に吸ってる人居るじゃん。」
村田ティーチャーとかね。村田ティーチャーから
煙草取り上げたらあの人イラつくよ?
「相沢から取り上げといて村田にはいいのかよ?」
慶詩が意味分かんないヤツと言ってきた。
「いや、取り上げたことあるよ。あまりにも不健康
な健康診断書が来て生活の改善だと煙草を見つけ次第
排除していたら・・・・思わぬことに。」
あの事件からあたしは村田ティーチャーには煙草
を吸うなとは言えないのです。
「何があったんだ?」
ナル君が隣でプリンを美味しそうに頬張る。
「あれは確かあたしが中学3年の春のことだ。」
煙草三昧だった村田ティーチャーの健康診断が
思わぬ緊急レベルでひーちゃんヘルプミーって
追っかけてきたときのことである。
「煙草をやめれば生活も爽やかになる!
よしっ、煙草禁止だ。今持ってるものを
ここに全て出すんだな。」
そこまでは、良かったんだ。
煙草辞めるかなとか村田ティーチャー自体が
言ってたことだし、努力はしたんだと思う。

