最近、誰かに見られてるような気がする。

というのは、あたしの被害妄想なのだろうか?

「日和、あんた勉強のし過ぎなんじゃないの?」

いつもの部屋で不良メンバーズとは遊ばずに、

論文を読み漁っているとサユがゲームのコントローラ

を放置してこっちにやってきた。

「そう言えば、日和ちゃん難しそうな洋書を

この間持ってきてなかった?」

馨君がハーブティーを淹れてれるのを見て、

論文から目を放した。

「そんなことないよ。むしろ、これが本来のあたしである。」

※忘れがちな設定ではありますが、日和は天才です。

「その洋書ならすでに読破して感想文を作成しといたわ。」

「日和ちゃん、あれ英語じゃなかったよね?」

「この間読んでたのはドイツ語の本だよ。」

※そして、バイリンガルであることも忘れがちです。

「ヒヨリン、頭痛くなったりしねぇのかよ?」

「まさか、ワクワクしてしまってずっと読んでられるけど?」

続きが気になってしまうから大体一日で読み終わる努力をしている。

それに、考えすぎな思考回路を断ち切るにはこれが

一番だと思っていた。

「そんなことより、さーちゃんそろそろマコ君

がお迎えにやってくる時間では?」

いつもそろそろのお時間でやってくるはず。

「何言ってんのよ、今日はあんたと帰るって言ってたじゃない。」

「あわっ、そうだったかね?」

「もうあんたって子は!!修平と駅前で約束してる

こと忘れてんじゃないの?」

「それはきっちりと覚えている!」

そうだった、今日は近々やってくるマミーのお誕生日

プレゼントを買いに行こうと計画していた。

「何で、修平との約束は覚えてんのよ?」

「修平君から昨日メール来てたもん。」

修平君からのメールだもの。

即返信したら早いって返って来た。

「でも、サユちゃん。修平君の中学ってすぐ近くだよね。

それでは迎えに行ってしまった方が早くないか?」

「それが、嫌だって言うだもん。全く、これが

反抗期だったらあたしどうしたらいい?」

「打開策を練りましょう!!」

それは、一大事なのです。

修平君が反抗期になったらあたしのハートは

えぐれてしまって使い物にならなくなるわ。